【QK】オタクの君に恋して何が悪い！ (ページ23)

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ハルシャギクページ23

sgi side

気づいてしまった。これは気づいて良かった感情なのか。そんなこと考えるよりも今はこれまでから今の行動まで全てが恥ずかしくなった。

俺はさえちゃんが好きなんだ

あの最後の笑顔今日一のあの眩しい笑顔が頭から離れなくて、とても美しくて可愛くて誰にも渡したくないと思ってしまった。俺だけのものになってしまえばいいのにそんな俺らしくない独占欲も湧いてしまう。

アイドルとはまた違う。いや全然違う。れいちゃんはみんなのものだと知っているから独占欲も湧かなければ嫉妬なども無かった。ただ幸せをくれる可愛くて大好きな人だった。

正直俺にはれいちゃんがいるからと恋愛はするつもりもなければする予定も無く、好きな人は生涯れいちゃんだと思っていた。れいちゃんの為ならお金も貢ぐし、休みの日に現場にも行く、さえちゃんに逢うまではれいちゃん一色だった。それは俺にも分かる。なのにあの子に彼女に出逢ってから全てが変わった気がした。

普段女性にはれいちゃんにしか興味が無かったのにふと学校に行くと彼女を探している自分もいた。1年の棟に用事もないのに行ったりもしてた。先生に用があるからなんて嘘をついて。オフィスで彼女がいる時の安心感と幸福感。さえちゃんは可愛くてムードメーカーみたいな存在で俺にとっちゃ妹みたいな存在だったから " 今日もいる良かった " とそういう意味での幸福感だと思っていたのに。きっとそれは " 好きな人が今日もいる " " また話せるじゃん嬉しい " という意味なのだろうと今初めて知った。

さえちゃんが山本のことをくん付けで呼ぶことに対しいい思いをしていなかったのも事実だった。なんで山本だけ？って。俺には？って。年齢が近いから？そんなことないでしょうよ。最初はさん付けだったんだし。なんて俺らしくないから考えるのをその時は辞めたけど今思えばそれは嫉妬だったのかと思い知らされる。

初めて出逢った時、腕を掴んだ時きっとあの時から俺は好きだった。一目惚れをしていた。お題に対しての答えはさえちゃんが正解だった。一目惚れなんてって思っていたけど本当にあるもんなんだな…… なんて色々考えていると恥ずかしくなった。そして思い知らせた。

『はぁ、俺めちゃくちゃ好きじゃん。』

『さえちゃん、俺は君にベタ惚れしてるみたいだわ』

なんて星が光る夜空に届くはずのない声を漏らす。
そこに存在感のある満月。

『月が綺麗ですね』

いつか言えるといいな、大好きな君に