【QK】オタクの君に恋して何が悪い！ (ページ22)

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『綺麗…』

それは指輪が付いているネックレス。その指輪は完全オリジナルでも作ってもらえるし元々持っている指輪でも付けられるらしくペアリングにしてカップルなどがよく買いに来るらしい。

そりゃ買いにくるわ…。まあ私には無縁の話だなと自分で言って悲しくなった。その後も色々見たものの結局須貝さんは何も買わず店を出た。

『大丈夫だったんですか？何も買わなくて。全部似合ってたのに』

「ん？あ～いいのいいの、そんなしっくりこなかったからさ」

と言い終わった後そろそろご飯食べにいこうかと言ってくれたのでご飯を食べに行くことになりました。今日も須貝さん行きつけのお洒落なお店です。メニューを見ながら何を食べようか考える。須貝さんも何にしようか考えていて、肘をつけながら考えるその姿がかっこよくて好きだなぁなんて思っていると

「俺のこと見てどったの、決めた？」

『あ、えーと…オムライスで！』

「ん、おっけい」

と店員さんを呼んで注文してくれる。しばらく最近あったこととか世間話をしていると料理がくる。美味しそうだなと思う反面これが終わってしまったら2人きりでいれなくなってしまうという悲しさでどうしたらいいかわからなかったが、須貝さんが話を続けてくれるおかげで食べ終わるまで笑って楽しく過ごせた。

食べ終わって帰ろうかって話になり我慢したつもりが多分顔に出ていたのだろう。

「さえちゃーん、顔めちゃくちゃ寂しそう」

と頭をポンポンしながら優しくそう言ってくれる。本当にお兄ちゃんみたい。

『寂しいですよ～、だって今日楽しかったですもん』

『友達と遊んだ後は帰りたくないじゃないですか！』

と好きな人から離れたくないからではなく友達と離れるのが嫌だという意味で。でもそんなこと言われても困るよねと思ったので

『あ…やっぱ大丈夫です！ごめんなさい！じゃあ今日はありがとうございました！』

と改札に向かおうとするとあの時のように腕を掴まれる。

「また遊ぼ、2人でさ。だからそんな悲しい顔しないで？」

と取り繕ってるはずの私の顔がまだ繕えていなかったらしい。めんどくさいよね…。でも今本当に泣きそうなくらい嬉しい。

『絶対ですよ！！』

と須貝さんの方を見て今日一の笑顔を見せて改札を抜けた。その後の須貝さんは見ていない。どんな顔をしていたかな。

今日は本当に充実した幸せな日だった。改めて私は須貝さんが大好きだと思い知らされた日でもあった。