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流行り・其の弐(2) ページ9

あ「後の仕事は私が引き継ぐので、鬼灯さんは休んで下さいねー」

鬼「‥わかりました」


部屋に戻った鬼灯にそう告げると

鬼灯はAの言葉に、思いの外素直に頷いた


――まさか、こっそり仕事する気じゃ‥‥


あ「隠れて仕事しちゃ駄目ですからねっ!」

鬼「‥しませんよ
Aになら、仕事も任せられますしね」

あ「はいっ!任せてくださいっ!!」

鬼「数日間、一人で大変でしょうが‥よろしくお願いします」

あ「わかりました!
鬼灯さんが早く元気になれるように私、何でもします!」

鬼「ありがとうございます」

あ「ひとまず鬼灯さんは、横になって休んでいて下さいねー」


鬼灯は大人しくAの言葉に従い、着物を脱ぐとベッドへと入っていった

肩口までしっかり布団を掛けてから

鬼灯の首筋に触れると、やはり熱い


あ「‥今、何かして欲しい事はありますか?
お水とか飲みます?」


そう問い掛けると、鬼灯はせっかく掛けた布団を少々持ち上げ
隣に来いとばかりに、自分の隣をぽんぽんと叩く


鬼「‥寒いんですよ‥‥」

あ「へっ?」

鬼「温めてもらえますか?」

あ「えっ?いや!それって‥‥」


――私に温めろって言ってる?

まさか人肌で?!

いやいや!そんなの恥ずかしすぎる!!


鬼「人肌じゃなくていいんで‥少し一緒に布団に入ってもらえませんか?」

あ「なんで知って‥?」

鬼「考えている事が口に出ていましたよ。まぁ‥私は人肌でもかまいませんが」

あ「いやっ!人肌はちょっと!!というか、毛布取ってきます!!」


慌てて立ち上がると、鬼灯に手首を捕まれる


鬼「Aが良いです。何でもしてくれるんでしょう?」

あ「‥‥‥もう、解りましたよっ!」


――こうなったら、ヤケクソだ


Aは、いつも腰に差している刀を床に置くと
少々投げやりな気持ちで、鬼灯の隣に身体を滑り込ませた


鬼灯の身体は驚くほどに熱いのに

手や足は少し冷たい


――本当に寒いんだ‥これから、まだ熱上がるってことだよね


ぴたりと寄せられた鬼灯の身体は、悪寒のためか少し震えている


さっきまでAをからかうような素振りをみせたりと、普通にしているように見えていた鬼灯だったが

思いの外弱っている事に驚く


恥ずかしいという感情は、すっかり頭から抜け落ちて

わずかでも温まるようにと、Aは鬼灯の身体をぎゅっと抱きしめた

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百花(プロフ) - まだらもようさん» ありがとうございます!忙しさに負けず更新がんばります(^-^ゞ (2018年11月8日 7時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
まだらもよう -  ヤバイ見てて楽しいテンション上がる楽しい作品をありがとうです! (2018年11月7日 23時) (レス) id: d426066ad9 (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - カコさん» まさかこの作品に癒し効果があるとは!素敵コメントに私も癒されました(*´ω`*) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 癒される・・・荒んだ心がほぐれていく・・・ (2018年10月17日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 泪さん» 楽しんでいただけて嬉しいです(*^_^*)これからもよろしくお願いします! (2018年7月25日 18時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百花 | 作成日時:2018年6月17日 7時

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