甘味 ページ45
恋人後期:残業中の二人、疲れた脳と身体には甘いものが必要です
‥‥‥‥‥
あ「仕事の合間に食べる甘味って美味しいですよねー」
鬼「そうですね」
Aがこちらに向かって幸せそうに笑う
その口元には、今食べているアイスクリームが付いていて
その姿に妙にそそられる
最近仕事が立て込んで、二人共連日のように残業が続いていた
仕事が終わると部屋に戻り、数時間の睡眠を取る
当然どちらかの部屋でゆっくり過ごす時間もない
要するにほとんどAに触れていないのだ
やっと仕事の目処が付き「少し休憩しよう」ということになったのだが
まさかこんな罠が待っているとは思わなかった
今うっかりAに触れたら、止められる自信がない
鬼灯の視線に気付いたAがこてんと小首を傾げて、こちらを見詰めていた
あ「あっ、わかった!鬼灯さん、味見したいんでしょう?食べさせてあげましょうか?」
そんな鬼灯の想いとは裏腹に
Aはふわりと微笑むと、鬼灯の側へと歩み寄ってくる
――そうやって、無防備に近付いてくる貴女が悪いんですよ
鬼「そうですね‥。では、味見させてもらいます」
鬼灯は差し出された手を掴み、引き寄せると
口元に付いていたアイスをぺろりと舐めた
鬼「いちご味なんですね、今日は」
あ「!!」
鬼灯は頬を染めたAの顔を見ながら、自分のアイスを一口食べる
鬼「Aにも、味見させてあげますよ」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
耳元で囁かれたと思ったら突然視界が反転した
背中に感じる硬い感触
視界の隅で床に落ちていった書類
そして真上に見える鬼灯の顔に、机の上に押し倒されたのだと気付く
抗議のために開いた唇を塞がれて、そのまま深く口付けられると
口の中に甘いバニラの味が広がった
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
あ「‥っ‥はぁ」
深く口付けるとAの唇から吐息が漏れる
それはさっきまで食べていたアイスクリームなんかより、鬼灯にはずっと甘く感じられた
不意にカップの中で溶けかかったアイスクリームが視界に入る
どうせ止められないのなら
このままここで、腕の中にいる何よりも甘い存在を溶かしてしまうのも悪くない
あ「‥んっ‥‥鬼灯さん‥何を‥」
鬼「仕事の合間の甘味をいただこうと思いまして」
何か言いたそうに開いたAの唇を、鬼灯は自らの唇で再びふさいだ
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百花(プロフ) - まだらもようさん» ありがとうございます!忙しさに負けず更新がんばります(^-^ゞ (2018年11月8日 7時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
まだらもよう - ヤバイ見てて楽しいテンション上がる楽しい作品をありがとうです! (2018年11月7日 23時) (レス) id: d426066ad9 (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - カコさん» まさかこの作品に癒し効果があるとは!素敵コメントに私も癒されました(*´ω`*) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 癒される・・・荒んだ心がほぐれていく・・・ (2018年10月17日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 泪さん» 楽しんでいただけて嬉しいです(*^_^*)これからもよろしくお願いします! (2018年7月25日 18時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百花 | 作成日時:2018年6月17日 7時