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酒は飲んでものまれるな・其の弐(4) ページ41

あ「鬼灯さん、待ってたんれすよー」


鬼灯の姿を見つけたAが、掴んでいた白澤の腕を解放し、嬉しそうに腰の辺りに抱き付いてくる

恥ずかしがり屋なAにしては大胆な行動


鬼「A‥酔ってますか?」

あ「ん?いつもどーりれすよー」


しかし、回らない呂律は全くいつも通りではない

酒に強いAが、ここまで酔っている所など鬼灯も初めて見る


――体調が悪いわけでも無さそうですし‥


不思議に思い辺りを見回すと、テーブルの上に乗るグラスが視界に入る
中には桜色の飲み物が半分ほど入っていた

普段飲まないような酒に酔ったのか

はたまた、何か別の理由があるのか

鬼灯はグラスを持ち上げると、中の液体をぺろりと舐めた
ほんのり甘いそれはAが酔うほどに強い酒だとも思えない

そんな鬼灯の様子をAがじっと見つめている


鬼「‥どうしました?」

あ「鬼灯さん、どーしてグラスにちゅーしたんれすかー?」


グラスの中身を確めた時の事を言っているのだろうが、幼子のような物言いが可愛らしい


鬼「おや、グラス相手にやきもちですか?」

あ「そうですよー!そういうのは、グラスじゃなくて私にしてください!!」


酔っているから無自覚で、大胆で

その効力がいかに強力かを本人はまったく理解していない


――まったく‥時と場所を選べといつも言っているのは貴女でしょう


鬼灯は揺れる瞳に吸い寄せられるように一瞬唇を重ねてから、さらりとした髪を撫でる


鬼灯の行動に、白澤は驚いたように目を見開き

桃太郎はわずかに顔を赤く染めた


白「ちょ、おまっ‥来て早々、何いちゃついてんだよ!」

鬼「可愛い婚約者の願いをきいただけですよ。羨ましいんですか?」

白「あ"ぁーー!腹立つなぁ、もう」

鬼「原因を作ったのは貴方でしょう。私が気付いていないとでも思ってるんですか?」

白「!!‥何の事だよ?!」

鬼「酔ったAが可愛かったので大目にみますが‥‥次に同じ事したら殺しますよ」


酔って甘えてくるAは可愛くて仕方ないが、いつも以上に無防備で危なっかしい


――あまり無防備に迫られると、理性を保つのも大変なんですよねぇ


鬼灯はAの手を取ると店を後にした

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
白「なんかさぁ‥結局、おいしい思いしたのってあいつだけだよね〜」

桃「おとがめ無かっただけでも良かったじゃないですか‥」


翌日

やはり気が変わった鬼灯に、白澤がシメられたのはまた別のお話

ついに!→←酒は飲んでものまれるな・其の弐(3)



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百花(プロフ) - まだらもようさん» ありがとうございます!忙しさに負けず更新がんばります(^-^ゞ (2018年11月8日 7時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
まだらもよう -  ヤバイ見てて楽しいテンション上がる楽しい作品をありがとうです! (2018年11月7日 23時) (レス) id: d426066ad9 (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - カコさん» まさかこの作品に癒し効果があるとは!素敵コメントに私も癒されました(*´ω`*) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 癒される・・・荒んだ心がほぐれていく・・・ (2018年10月17日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 泪さん» 楽しんでいただけて嬉しいです(*^_^*)これからもよろしくお願いします! (2018年7月25日 18時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百花 | 作成日時:2018年6月17日 7時

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