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囮(2) ページ32

義「そろそろ犯人が動き出す頃合いです」


依頼を承諾してから三日後、義経から作戦決行の連絡が来た


花街に馴染むよう、袴から着物に着替える

帯刀などもちろん出来ないので、犯人と接触した時には体術で取り押さえなければならない

周りは烏天狗警察が固めてくれるし、鬼灯も同行するようなので、万が一にも取り逃がす事は無いだろう


Aは烏天狗達と簡単な打ち合わせを行った後、花街へと向かった

――――――――――――――――――

――かかった‥!


夜の花街を回遊してから二時間ほどたった頃

誰かが少し距離を置いて付いてくる気配と、絡み付くような視線を感じた

気付かないふりをしつつ、人通りの少ない裏路地へ入ると、いよいよ距離を詰めてくる


こいつか!?そう思うものの、まだ確証がない


人気が無いことを確認したのか、男が大胆な行動に出た
一気に距離を詰めた男が、Aの腕を引く


――このままぶん投げる!

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥って、着物っ!!


腕を引かれた反動を利用して男を投げようとするが、着物だと足さばきが悪くバランスを崩した

男はするりと自然な動きで、Aの喉元に短刀を突き付ける


「抵抗すると、綺麗な顔に傷がついちゃうよ」


耳元で囁かれ、生々しい息遣いにゾクリと悪寒が走る

この方法で、これまで抵抗されたことなど無かったのだろう

男は遠慮なくAの首筋をなぞったかと思うと、あろう事か着物の合わせから手を入れ胸を触られた


あ「‥いい加減にしろーっ!!」


叫ぶと同時に、短刀を持つ手首を掴んで捻る

男が短刀を落とした瞬間

体制を低くしたAは男の腕の下をくぐり、体勢を入れ替える

そのまま手首と肘を固めて体重をかけ、男が地面にうつ伏せた所で腕を捻って拘束した

時間差で烏天狗が現場へやってきたので、男を引き渡す

その場から離れ、着物を整えていると


ゴッ!!!


突然のものすごい音にAが振り返ると、男の頭ギリギリの所に金棒がめり込んでいた


鬼「本当なら頭を叩き潰したい所ですが‥」

義「貴方の力でそんな事をすれば、いくら鬼でも死んでしまいます!」

鬼「‥チッ‥‥警察に、救われましたね‥」

「‥おまえ‥‥閻魔の‥」

鬼「地獄では、罪を犯した者は鬼でも亡者と同じ扱いです。貴方が刑場に来るのが楽しみですねぇ‥」


獄卒ではない男も鬼灯の存在は知っていたようで

その存在と怒りに満ちたその表情に、言葉を失っていた

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百花(プロフ) - まだらもようさん» ありがとうございます!忙しさに負けず更新がんばります(^-^ゞ (2018年11月8日 7時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
まだらもよう -  ヤバイ見てて楽しいテンション上がる楽しい作品をありがとうです! (2018年11月7日 23時) (レス) id: d426066ad9 (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - カコさん» まさかこの作品に癒し効果があるとは!素敵コメントに私も癒されました(*´ω`*) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 癒される・・・荒んだ心がほぐれていく・・・ (2018年10月17日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 泪さん» 楽しんでいただけて嬉しいです(*^_^*)これからもよろしくお願いします! (2018年7月25日 18時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百花 | 作成日時:2018年6月17日 7時

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