地獄の沙汰も貴方しだい〜短編集〜【鬼灯の冷徹】

リリスからの贈り物 ページ16

夫婦期間:リリスから届いた結婚祝いの品が、新婚生活に早くも波風をたてる？！

‥‥‥‥‥‥

あ「よしっ！できたー！！鬼灯さん、喜んでくれるかなぁ？」


Aは真新しい台所で一人、ずらりと並んだ料理を見下ろして満足気に笑みを浮かべた


この家で鬼灯と暮らし始めてから今日が初めての公休日、しかも二連休である

いつもは二人とも仕事なので、朝は共に閻魔殿へと出勤し
帰りの時間もほぼ一緒

そのため、食事もほとんど閻魔殿の食堂で済ませていて
生活パターンとしては閻魔殿に住んでいた頃のままだった


「私は毎晩Aと一緒に眠れるだけで幸せです」


鬼灯はそう言ってくれるが、Aとしては"妻"らしい事もしてみたい


そして初の公休日である今日、まだ雑然としていた家の中を整えた後

普段あまり作れないから、と沢山の夕食を作ったのである

────────────────────

ピンポーン

Aが台所を片付けているタイミングで、チャイムが鳴る


あ「はぁーい」

「宅配便でーす！」

あ「あ、お疲れ様でーす」


少し大きめの箱を受け取り、居間へと運ぶ


あ「誰からだろ？‥‥‥あっ、リリスさんだー！」


仕事関係の荷物に関しては閻魔殿に送るように各方面に手配してあるので、ここに荷物が届くのは珍しい

鬼灯が何か頼んでいたのかと思い、宛名を見れば鬼灯とAの連名で二人宛になっている


――なんだろ？‥‥‥気になる‥‥


連名で届いた荷物

本来なら鬼灯が帰ってから二人で開けるべきだ、ということは解っている


――私宛でもあるし‥ちょっと先に見ても問題無いよね？
鬼灯さんには後で、言えば良い‥‥はず！


好奇心に負けたAは、目の前の箱に手を伸ばし開けてみる

まず目に入ったものは、二つ折のメッセージカードだ


『鬼灯様・Aちゃんハッピーウェディング！
挙式も素敵だった
招待してくれたお礼に、私と主人からの結婚祝いの品を送ります。
二人の新婚生活が、より素敵なものになりますように！！
リリス』


カードに目を通したAは嬉しそうに微笑みむと、その下にあった包みを開いていく


あ「‥オセロ？‥‥これはベルゼブブさんかなぁ？後で鬼灯さんとやろっと！
リリスさんからは‥‥‥！！！」


急に手を止めたAは、出したプレゼントをぎゅっと箱の中に押し戻した

その頬はわずかに赤く染まっている

その後Aは、大慌てで押し入れの中に箱を仕舞い込んだ

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