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もどかしい二人(2) ページ13

こちらの様子を伺うAの姿から、何か言いたい事があるかとは思っていたが

好きな女性に合コンに誘われるというのは、なんとも複雑な気分である


鬼「私は興味ないですね‥」


そう断ると、Aはあからさまにほっとした顔をして
私がいるとマズイ事でもあるのかと勘ぐりたくなる

念のため、参加するのか確認してみると

恩のある人に頼まれたとかで参加するという


鬼灯としては合コンには興味はないが

Aが一人で参加するとなると、色々と気が気ではない

酒に強い事はせめてもの救いだが

男性から寄せられる好意や下心には驚くほど疎いAだ、何かがあってもおかしくない

『行かないで下さい』などと言えるはずもなく、鬼灯は色々と考えた末に口を開いた


鬼「解りました‥私も行きます」


Aにとっては意外な答えだったようで、目を丸くしてこちらを見つめてくる


あ「えっ?!行くんですか?!」

鬼「何か問題でも?」

あ「だって、合コン興味ないって‥」

鬼「気が変わったんです。私が参加だと何かまずい事でも?」

あ「‥‥いえ‥皆さん、喜ぶと思います」


――まったく、こっちの気も知らずに‥


鬼灯は小さなため息をついて、昼食の残りを一気にかき込んだ

─────────────────────

親睦会当日

Aは刑場の視察から直行するとの事で、現地集合となる

開始直前に着いた鬼灯は会場を見渡すが、Aの姿はまだ無く

どこに座ろうかと思案していると「どうぞこちらへ」と声をかけられた

断る訳にもいかず、招かれた席に腰を下ろしたタイミングで
Aが勢い良く会場へ駆け込んできた


あ「すみませんっ!遅くなっちゃいましたー!!」


見慣れた姿と賑やかさに、鬼灯はほっと一息つく
Aと一瞬視線が交わったので、隣に来るかと思ったが

入口近くに座っている幹事に声を掛けられ、その女性の向かいに腰を下ろした


親睦会が始まり

Aはどうしているかと、視線をやった鬼灯は
飲んでいたビールを思わず噴き出しそうになった


恐らくAとしては
ここまで走って汗をかいたので、拭っているだけなのだろうが

少しはだけた着物から見える鎖骨をハンカチでなぞるその姿は、もはや何かのサービスである

現に近くに座っている男性陣は、チラチラとAの鎖骨から胸元へ視線を動かしている


――こんな事なら無理やりにでも隣に座らせるんでしたね‥


鬼灯は心の中で秘かに舌打ちをした

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百花(プロフ) - まだらもようさん» ありがとうございます!忙しさに負けず更新がんばります(^-^ゞ (2018年11月8日 7時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
まだらもよう -  ヤバイ見てて楽しいテンション上がる楽しい作品をありがとうです! (2018年11月7日 23時) (レス) id: d426066ad9 (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - カコさん» まさかこの作品に癒し効果があるとは!素敵コメントに私も癒されました(*´ω`*) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 癒される・・・荒んだ心がほぐれていく・・・ (2018年10月17日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 泪さん» 楽しんでいただけて嬉しいです(*^_^*)これからもよろしくお願いします! (2018年7月25日 18時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百花 | 作成日時:2018年6月17日 7時

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