もどかしい二人 ページ12
恋人前:親睦会でのもどかしい二人
‥‥‥‥‥‥
「あら、A様!調度良い所にいたわ」
閻魔殿の大浴場で一息着いた時、不意に背後から声をかけられた
ちゃぽんと音を立ててAの隣に身体を沈めてきたのは、叫喚地獄で働く鬼女である
あ「わぁ!お久しぶりです!!」
彼女はAが様々な刑場での仕事を手伝っていた頃に叫喚地獄での仕事など、色々と教えてくれた先輩のような存在である
「ねぇ、突然なんだけど‥明後日の夜って空いてる?」
あ「空いてますよー!どうかしたんですか?」
「明後日開催のプチ親睦会、私が幹事なんだけどね
メンバーの中にA様と話したいっていう人がいて、誘って欲しいって頼まれたのよ。ダメ‥‥かな?」
両手を合わせて、ぺこりと頭を下げる彼女を見てAは考える
話の流れからして親睦会=合コンのような物だろう
お酒は好きだが、その手の飲み会は苦手で参加した事はない
補佐官になってからは、誘いも無くなって安心していたのだが
彼女はその辺りの事情も承知で頼んでいるのだろう
しかも、彼女には仕事を教えてもらった恩もあるので断りにくい
あ「‥わかりました。行きますよー」
「本当?!嬉しい!!ありがとう」
あ「いいえー。で、誰がくるんですか?」
聞くと、顔見知りの名前が数人と、ほとんど話したことのない獄卒の名前があげられた
「で、あとね‥‥鬼灯様にも声かけてみて欲しいの。本当にダメ元でいいから!」
鬼灯への想いを自覚したAとしては、合コンになど誘いたくはない
だが、それは自分の一方的な想いであって
現実はただの上司と部下だ
――たぶん、鬼灯さんは断るだろうし‥
あ「まぁ‥ダメ元で良いなら、聞いてみます」
彼女にそう告げて、Aは大浴場を後にした
─────────────────────
翌日
食堂でお昼を食べながらAは鬼灯に、例の親睦会の事を話す
鬼「‥‥それって、まぁ‥合コンですよね?」
あ「親睦会と聞いてますけど、たぶん‥」
鬼「私は興味ありませんね‥」
予想通りの鬼灯の返答に
Aは内心、ほっと胸を撫で下ろした
鬼「そもそも、なぜ私を誘ったんです?」
あ「鬼灯さんと話したいって人は、沢山いると思いますよー」
鬼「‥‥‥Aさんは、行くんですか?」
あ「はい‥恩のある方に拝み倒されちゃって」
そう答えると
鬼灯は少々険しい顔をしながら、なにやら考えはじめた
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百花(プロフ) - まだらもようさん» ありがとうございます!忙しさに負けず更新がんばります(^-^ゞ (2018年11月8日 7時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
まだらもよう - ヤバイ見てて楽しいテンション上がる楽しい作品をありがとうです! (2018年11月7日 23時) (レス) id: d426066ad9 (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - カコさん» まさかこの作品に癒し効果があるとは!素敵コメントに私も癒されました(*´ω`*) (2018年10月17日 21時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 癒される・・・荒んだ心がほぐれていく・・・ (2018年10月17日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 泪さん» 楽しんでいただけて嬉しいです(*^_^*)これからもよろしくお願いします! (2018年7月25日 18時) (レス) id: 9123add313 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百花 | 作成日時:2018年6月17日 7時