山下くんと女優ちゃん

俺の彼女の仕事は ページ42

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智久くんのお家に突撃訪問をして早１ヶ月。

あれから何度か智久くんには


"会いたい、今すぐ会いたい"


とワガママを言ってみると


そのうちの何度かは、たった３０分、１時間の為に智久くんが本当に来てくれたりして


映画の撮影も難なくこなせた。




主演の方はもう少しだけ撮影があるんだけど、

ちょっと忙しさが落ち着いた今日。



山下＿撮影おつかれ。今日早く終わるって言ってただろ？久しぶりにご飯行く？


と言われて今は智久くんオススメの個室のあるお寿司屋さん



─かんぱーい


と息の合った合図で２人だけの宴会が始まった



山下「ハワイいつから？」

「来週の木曜の深夜便で行く予定！」


来週の木曜の午後で映画がクランクアップの予定で

その日の晩から写真集の撮影のためハワイに出発することになっている



山下「やっぱり２週間かかる？」

「んー日本での撮影もあるから２週間はかからないようにしないと、って赤崎さんは言ってるんだけどね」


そんなたわいもない話をしながら、中トロをつまむ

大トロは脂っこすぎてあんまり好きじゃないんだよねー


山下「グラビアって……全カット水着？」

「ほーだよ」


お寿司を放り込みちゃんと喋れなくて

智久くんに 食い終わってから話して と怒られてしまう


私はスパークリングの日本酒を飲みながら


「あ！水着じゃないカットも撮る予定かな」

山下「服着てる？」

「着てないやつと着てるやつどっちもかな」

山下「は？」



同じのを飲んでいた智久くんは手を止めて

鬼の形相みたいになってて、


「なにその顔〜変な顔になってるよ…すいませーん！雲丹の造りください」


山下「こんな顔になるでしょ。服着ないってじゃあ何着て撮影するんだよ」


「手ブラ。知ってる？こーいうの」


私はブラックのニットの上で手ブラをやってみせる


山下「絶対ダメ！」


「なんにも見えないんだよ？」


山下「いや、男はそれだけでその隠された部分の妄想が出来んの！」


なんかすごく ドヤ！ って顔をしてるんだけど

妄想くらいよくない？


山下「あと、足開いたり、おしり見せるのもダメ！」

「そんなんグラビアにならないじゃん」

山下「…普通の写真集じゃダメ？」


…日本酒で少し赤くなった智久くんがそんな風に聞いてきて


とっても可愛くて、ダメじゃないよと言いそうになった


「だ、めなの。元々グラビアだからね…」


山下「……俺それ出来ても見ないから」

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