藍沢先生になったフェローちゃん

その8 ページ9

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冴島「早川琢磨さん３８歳、脳挫傷あります」

藤川「移すぞー…藍沢これるか」



私と藍沢先生は終わりの見えない争いをしていれば

藤川先生たちがフライトから戻って来た


藍沢「ああ。今行く。Aちゃ

「言われなくてもちゃんと縫合するので、早く向こう行ってください」

藍沢「……」




藤川「空気悪い！！」

冴島「藤川先生余計な事言わない！」

藤川「はい…」



いいよね、藤川先生夫婦は。

仲悪そうに見えて実はすごく仲良くて

家では色々あるのかもしれないけど、勤務中にケンカしてるなんて見た事ないし





────医局



緋山「それはどっちも悪い！だいたいね、処置中に夫婦喧嘩やめなさいよ」

「すみません」
藍沢「ケンカなどしていない」



やっとひと段落つき

医局に戻れば 白石先生、緋山先生、藍沢先生 がいて

私たちは今日の初療室の一件について注意を受けている



白石「あれはどう見てもケンカでしょ？A先生はファストだってキチンと出来てた。違う？」

藍沢「……」

「いいです別に。全部私のせいなので」


元を辿れば、つわりがシンドくて当たり散らしてたのは私で

かと思えば、体調がいい日は機嫌良くして


よく考えれば、体になんの変化も訪れてない藍沢先生からしてみればこんな毎日辛いに決まってる



私は頭を下げて謝り、医局を出た



妊娠前よく足を運んだ あの自販機 の前のベンチに座り床を見つめながらため息をつく





藍沢「悪かった ん」


頭をあげれば藍沢先生が私の大好きなカフェオレを渡し、横に座った


「カフェオレ、いいの？」


藍沢「一杯くらいいいんだろ？それにストレス溜めさせてたのは俺だ」


「え…？」


藍沢「妊娠してるから、カフェイン気にしろ、妊娠してるからちゃんと食え、妊娠してるから仕事は制限しろ

と俺がお前を追い込んでいた


悪かった」



「い、や、、私も


藍沢「気持ち悪くて何も食べれないなら食わなくていい。その分食えそうな日は一緒に食べれそうな物を探して一緒に食おう

つわりで仕事中辛くなっても休みたくないなら休まなくて良い。その間俺が側でフォローする。


俺は、お前を支えていく立場だ」



「あ、りがと……あ、いざわ先生…だ、いすき」


涙が溢れてくると、彼は私をギューっと優しく包み込んでくれて


藍沢「本当に悪かった…この子の為にも、2人で乗り越えていこう」



やっぱり藍沢先生は最高の指導医で、最高の夫だ





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