コード・ブルー 〜アネモネ ２〜 完結

71 旅立ちの日 ページ25

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あれから月日は経ち、私たち救命も良い方向へとむかっているなとここ最近とても実感する。



そして今日、耕作がトロントへ出発する日を迎えた。




「パスポート入れた？チケットは？」

藍「あぁ。全部入れた。」

「向こうはもっと寒いよね〜大丈夫？」

藍「毎日建物の中だ。今と変わらない」

「そうだね…あと４時間後か…」


朝早くに目覚めて、リビングで彼の荷物の最終チェックをする。


藍「あ、A…これ持って行っても良いか？」

「ん？……いいよ。」


耕作がヒラヒラと見せたのは７年前の

あの子のエコー写真だった


藍「ありがとう。荷物に入れといてくれ」

「うん…ん？これ、も？」

藍「え、あ、あぁ……」


珍しく動揺したのはエコー写真の下に隠されたもう一枚の写真のせいだった


クリスマスの日
激務に追われ結局病院でその日を迎えてしまって
彼と２人で病院のベンチで休憩してる時に
無理を言って、 撮った写メ


「え！わざわざ現像したの！？」


今の時代、携帯を見返せばこの写真だってすぐに出るのに

と少し照れ笑いの笑みが溢れれば

藍「うるさい…デスクに飾る用だ」


少し強気に、でもとても照れてる様に見えて

思わず彼の背中に飛びつく


「嬉しい！私もこの写真デスクに飾る！！」

藍「やめてくれ」

「やめなーい……耕作」

名前を呼べば振り向いてくれる


「明日からこうやって耕作と触れ合ったり、…キ、スしたりできないんだね…」

藍「キスして欲しいのか？」


「うん。」


そう言えば 珍しく素直だな と言って

寂しさを埋める様に、沢山唇を重ね合った


藍「そろそろ、行くか」


家から病院も近いとあって、最後に救命に顔を出してから空港へ向かう


あ、ちなみに私は午前だけお休みをもらったから
空港までついて行く予定！



藍「この家も当分帰ってこれないな……」

玄関を出て鍵を閉め

いつもの様に明るくたわいもない話をしながら翔北へ足を進める。



「おはよう」
藍「おはよ」

スタッフステーションへ行き皆に挨拶をする


白「おはよう。いよいよだね」

緋「あー今日か。実感湧かないな〜」

藤「寂しくなるな」

緋山先生はまだもう少しだけ救命にいてくれるみたい

橘「お、藍沢。気をつけて行けよ。ま、お前なら大丈夫だ」

藍「はい。こいつの事よろしくお願いします」



『麻倉消防よりドクターヘリ要請です。負傷者3名』

『先ほど受け入れした患者間も無く白車で到着します。』



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