コード・ブルー 〜アネモネ ２〜 完結

63 好きの気持ち ページ17

「なんでトロント行かないの？…奏ちゃんの事責任感じてるの…？」

誰もいないヘリポートに２人並んで話す


藍「天野奏は１日のほとんどの時間をただ普通の生活をする為にリハビリをしてる。
夢を追い掛けるためのリハビリじゃない


俺だけが夢を追うわけにはいかないだろ


それにお前とこのままの関係で行ったらまた後悔する」


耕作は私の目の前に立ち悲しそうにそう言った


「私は夢を追ってる耕作が好き。

でもそんな耕作を変えたのは私。…なのかなって思う」

藍「…なぜだ」

「あの時、妊娠した時、耕作は夢を諦めてしまうんじゃないかと思って何も話せなかった。

でも違うんだよね…私の好きな耕作は、何があってもいい医者になるとがむしゃらだった。

私がもっとあなたを信じていたら、耕作はこんな風に自分を責めて背追い込む医者になってなかったんじゃないかって」


藍「でも…俺は、、」


「私は大丈夫。耕作がトロントに行っても、ここで待ってる。

耕作のような強い医者を目指して頑張る

奏ちゃんも、そうじゃないかな…？

だからトロントに行って欲しい


───────本当はすごく、すごく、寂しいけど」



涙が出てきたのを隠すように、耕作の事を抱きしめると

力強く、苦しいくらい 抱きしめ返してくれた


藍「A…ありがとう」

「ごめんね、、こんな彼女で」

藍「そんなお前を好きになったんだ」


夕日が差すヘリポートで 久しぶりの キスを交わした


ガタッ と物音がして パッと私も耕作も離れて 音の方を見ると

白「あああ、ごめん！！！本当そんな、見ようと思ってたわけじゃなくて…その」

白石先生がキス を見て引き返そうとつまづいたみたい


「白石先生、ごめんね。…ずっと、嫉妬してた。私の知らない耕作を藍沢先生を知ってる白石先生に。」

白「いいよ。そんなの。私もちょっとそういうの鈍くて、ごめんね？」

「めぐちゃん、大好き！！」

白「あーやっと、名前で呼んでくれた！！」

昔の様に めぐちゃん と呼ぶと 笑顔で私に飛びついてくる

その後ろで 耕作が 微笑んでいた

白「あ！藍沢先生。同情でここ残らないでね？私たちは大丈夫。あなたがいない分強くなるから。」


藍「はぁ…お前ら似てるな。」

「え！なに？めぐちゃんの事好きになったの？浮気したら頸動脈切るからね。」

白「怖い！本当にしそう！」

藍「大丈夫だ。白石を女として見たことはない」

白「ちょっと！それはそれでムカつくんだけど」


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