幸せ者って、きっと俺のこと。 (ページ10)

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smoky lips ページ10

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ミツとするキスは、だいたい七割くらいがタバコの味。

残りの三割は、直前まで食べてた物の味だったり、ガムの味だったり。

たまーに、愛用してるリップの味もするかな？

とにかく、正直言ってあんまり色気が無い。

でも俺は、ミツの唇を見るとキスしたくなるっていう、一生治らない病気にかかってるから…

結局のところ、相手がミツなら何だっていいんだ。

「……にがい」

「じゃあすんなよ！」

「だってしたかったんだもん！」

ベランダで一服して戻ってきたミツの唇がなんだか美味しそうに見えたから、思わず引き寄せてキスしちゃった。

俺の胸に倒れこんできたミツを抱きしめてチュッてしたら、案の定ものすっごく苦くて…ついつい、正直な感想が漏れてしまう。

こうなることはわかりきってたんだけどさ…どうしても今したくなったんだもん。

不意打ちで望んでもないキスをされた上に、苦いって文句まで言われて、ミツは明らかにおこ。そりゃそうか。

「ごめんね、不味いって言ってるわけじゃないから」

「…同じようなもんだろ」

「違う違う！苦いのは確かなんだけど、別に嫌じゃないから！他の人だったら嫌だけど、ミツだったらタバコ味だろうがタバスコ味だろうが喜んでキスするから！」

「…………」

なだめるようにソファーに座らせて、膨れっ面なミツのご機嫌を取ろうと必死な俺。

むすっと突き出された唇が可愛くて可愛くて、本当は今すぐそこに突撃したくてたまらないんだけど、それはもうちょっと我慢。

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