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ただいまのキスはきっと(3) ページ5

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「ちょっ、宮田…!」

「ごめん、ちょっとだけ」

「……っ」



乱暴に閉めたドアを背にしてミツの逃げ場を塞いでから、じっくりとその体の抱き心地を堪能する。

空き部屋に連れ込んで密会なんて肉食系男子みたいなこと、まさかこの俺がするなんて思ってもみなかったな。


俺ですら驚いてるんだからミツはもっとびっくりしたみたいで、首から上を真っ赤にして固まっちゃってる。

目の前で熱を持つ可愛い耳に唇を寄せると、ビクッと体を震わせて俺を睨んできた。あーあ、顔上げちゃったね。



「っん…!」



ちゅ、と小さく音を立てて、ミツの愛らしい唇に触れるだけのキスをした。

その直後、湯気が出そうなほど顔を真っ赤にしたミツに突き飛ばされそうになったけど、舞台に向けて少し鍛えた体のおかげで、抱きしめた体は離さずに済んだ。



「お前っ、いきなり何すんだよ!」

「ごめんごめん、ミツが可愛すぎてつい」

「俺のせいにすんじゃねー!」



ジタバタ暴れる体を抱きしめたまま、至近距離でミツの顔を見つめる。

誰が来るかわからない楽屋でキスするなんてって怒るミツは、この間楽屋で甘えてきた自分のことは都合よく忘れてるのかな。


あんまり大きな声出すと誰か来るよ?って意地悪く囁いたら、途端に体を強張らせて大人しくなった。

素直で可愛い……って、俺さっきから可愛いしか言ってないな。



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作者名:いちはら | 作成日時:2015年8月22日 16時

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