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俺にできること ページ14

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朝目が覚めた時、隣に好きなひとがいるって、本当に幸せだ。


俺は今、それをひしひしと感じている。


例えそれが、半開きの口で俺の枕をよだれまみれにしている、間抜け極まりない寝顔だったとしても。





「あーもう、かわいいなぁ…」



三十路を迎えてるとは到底思えない、あどけない寝顔。

右のほっぺが押しつぶされて、半開きになった口からよだれが垂れて、普通だったら間違いなくブサイクの部類に入る顔なんだけど…



「…かわいい…」



バカの一つ覚えみたいに、それしか出てこない。







「それにしても、いつの間に来てたんだろ…全然気付かなかったな」



いつでも来ていいよって言葉と一緒に渡した合鍵は、普段はあんまり出番がない。

多忙なミツには、わざわざそんなものを使ってここまで来る時間も惜しいんだと思う。


でも、その労力を費やしてまでここに来たってことは、つまり。



「…お疲れさま、ミツ」



俺の隣に収まってすやすやと寝息を立てる、俺の好きなひと。

その寝顔にうっすらと滲んだ疲れが、ここで一緒に寝ることで、ほんの少しでも取れますように。


そんな願いを込めて、柔らかな髪をそっと撫でた。



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作者名:いちはら | 作成日時:2015年8月22日 16時

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