幸せ者って、きっと俺のこと。 (ページ11)

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smoky lips(2) ページ11

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「…お前、他の奴とキスする予定あんの？」

「……へっ？」

「他の人だったら嫌って、誰のこと言ってんだよ」

えっ、俺そんなこと言ったっけ？

……なんて、ミツの顔を見たら、とてもじゃないけど言えなかった。

むすっとした可愛い顔はそのままだけど、その瞳には少しだけ傷付いた色が見え隠れしていて…

そんなつもりじゃなかったにしろ、俺の軽はずみな一言がミツを傷付けてしまったんだと理解する。

「ごめん、そういう意味じゃなくて、ただの言葉の綾っていうか…」

「………」

「あぁもう、ほんとダメだな俺…ごめんね、俺はミツ以外とキスする予定なんか今後一生ないからね？」

複雑な色をして揺れるミツの瞳を見つめ返して、懸命に訴える。

沈黙に耐えきれずに土下座したくなるのをぐっとこらえて、ゆっくりと伏せられていくミツの顔を目で追っていると、その肩が少し震えているように見えた。

まさか、泣いてる…！？

「みっ、ミツ、ごめ…っ」

「バーーーーカ！！」

「……へっ？」

本日二回目の「へっ？」、出ました。

もしここに二階堂がいたら、「さっきとおんなじリアクションすんなよ！もっとバリエーション増やせ！」って言われてたかもしれない。

…って、そうじゃなくて！

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