サタンが家にやってきた!(2) ページ42
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突然、部屋の中に自分以外の声が響いた。
びっくりして周りを見回すものの、キャンドルの灯りだけじゃ暗くてよくわからない。
「……気のせい?」
「アホか、気のせいじゃねーから」
「うわっ!?」
俺の空耳ってことにして気にしないようにしたその時、部屋の電気が勝手に点いて、目の前にいきなり見知らぬ人が現れた。
しかも……
「うわあああああ!!!イケメンだぁぁあああ!!!!」
「いや、違うだろ。そこは『不審者だぁー!』だろ」
「あっ、すみません、あまりにもイケメンだったのでつい…って!そうだ不審者!!どこから入ってきたんですか!?あなた誰ですか!?」
「どこって、寝室の窓から。安心して、鍵はちゃんと閉まってたよ」
「は!?じゃあどうやって……ハッ!」
そこまで言って、俺はある重大な事実に気が付いた。
この人が着てる服…ちょっとサンタさんっぽくないか?
若いし、どう見ても日本人だし、なぜか羽生えてるし、服の色だってピンクだけど、格好はどことなくサンタさんの衣装に見えなくもない。
鍵のかかった寝室の窓から入ってきたのも、もしかしたら煙突の代わりに…?
「……あの、」
「何?」
「あなたは、もしかしてサンタさんですか?」
「…………」
気のせいかな。部屋の温度が急激に下がった気がした。
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作者名:いちはら | 作成日時:2015年12月20日 19時