まいにちふじきた(たまにきたふじ) (ページ8)

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08. 君の声で世界は色付くページ8

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楽しいときも、辛いときも

二人の距離が離れていたときでさえ

その声だけは、決して遠ざかることはなかった。

一緒に笑って、泣いて

ぶつかり合ってもがき苦しんだ日々も

あの澄んだ歌声だけは、いつも俺のそばにいた。

甘く優しい、だけど淫らで儚い、唯一無二の歌声。

その声が響き渡ったとき

俺の声と重なり合ったとき

俺はこの世界で一番綺麗な景色を見られるんだ。

俺の世界に色を付けてくれるのは

いつだって、お前の美しい声なんだよ。

「なぁ、藤ヶ谷？」

「何？」

「…あの、さ。……ありがとな。」

「……は？なんなの、いきなり…」

「んー…なんとなく、今言いたくなった」

「…調子狂うから、そういうのやめろ。
…言わなくても……ちゃんと、伝わってるから」

「…んふふ、そっか。…ありがと。」

「もうわかったって…」

18年前の藤ヶ谷に

俺と出会って、これまで歩んでくれた藤ヶ谷に

そして今、俺の隣にいてくれる藤ヶ谷に

ありがとう。

誰にも譲れない、まだ見ぬ未来へ

この先も一緒に走り続けよう。

お前と一緒ならきっと

七色に輝く世界が見られると信じてる。

end.