まいにちふじきた(たまにきたふじ) (ページ4)

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04. 絡めて、愛してページ4

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髪型を整えているとき。

タバコを吸っているとき。

スマホをいじっているとき。

不慣れな料理をしているとき。

俺があげたギターを弾いているとき。

そんなたくさんのときの、藤ヶ谷の指が好きだ。

「え…指が綺麗？…俺の？」

「うん。」

「そうかなぁ…指が綺麗なキャラはわたとかニカじゃない？」

「ははっ、なんだよ、指が綺麗なキャラって」

不思議そうに自分の手を見つめる藤ヶ谷は、その指がどんなに魅力的か、まるで気付いていない。

華奢なのに、どこか無骨で、たまらなく色っぽい。

俺がその両手の親指から小指まで、爪の形も血管の浮き方すら全部好きだなんて言ったら、お前はどう思うかな。

「でも俺手ちっちゃいし、指だって別に長くないけど…」

「大きさとか指の長さとか、そんなのは関係ないよ」

無用な謙遜を遮るようにそう言って、女の子みたいだと気にしているらしい手のひらにそっと自分の指を絡ませた。

藤ヶ谷は少し驚いたように目を開いたけど、その目はすぐに柔らかく細められて、大好きな藤ヶ谷の指が俺の深爪した指先を労わるようになぞってくる。

聡い藤ヶ谷のことだから、俺が望むことなんてきっともうわかってるはず。

そうだろ？

「北山、俺の指が好き？」

「…好き。だから、早くちょうだい？」

どんなときよりも、俺に触れているときの藤ヶ谷の指が、やっぱり一番好きだ。

end.