キタヤマボックスR② (ページ7)

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あまい散歩道▽倉北ページ7

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久しぶりに宏光とふたりで飯でも行こうと思って誘ったら、今日はもう宮田くんと食べに行ったって言われて、自分のタイミングの悪さに萎えた。

ちょっと時間が遅いから無理かなぁと思ったけど、やっぱりあかんかったか。しゃあないから、コンビニ寄って帰るか。ついでにビールでも買うてこ。

そう思って、帰る前にマンションの近所のコンビニに寄ったら、なぜかそこに宏光がおった。

「あ、おかえりーただくん！」

仮にも芸能人や言うのに、外から丸見えの雑誌コーナーで立ち読みしてた宏光は、雑誌を棚に戻すと満面の笑みで駆け寄ってきた。

「…いや、おかえりやあらへんわ。なんでおんねん」

「なんでって、ただくんが飯食おうって言ったんじゃん」

「は？お前、今日はもう食ったって、さっき言うてたやん」

「うん。でも食ったの5時間くらい前だし、もう消化したから、まだ食えるよ」

「……」

まだ食えるよって、お前今何時やと思ってんねん。もう夜中の1時やで？こんな時間から2回目の晩飯て、ただのデブやん。もう32歳になるおっさんやねんから、暴飲暴食はあかんて。

…って言いたいとこやけど、顔がニヤけるのを抑えるのに必死で、いっこも喋られへん。そもそも、こんな時間に飯誘ったの俺やしな。

太るのわかってて俺に付き合うてくれようとする宏光、ほんまかわいくてしゃあないわ。ここで待ち伏せしてたのも、俺の行動パターンなんてお見通しやって言うてるみたいや。

なんなん、俺めっちゃ愛されてるやん。

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