すすめ！リア充撲滅委員会▼藤北 ページ34
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リア充撲滅委員会――
それは、リア充とは程遠い高校生活を送る非モテ男子3人により結成された
＜校内から目障りなリア充を撲滅すること＞
を目的とした、志高い集団である。
今日も今日とて3人は教室の一角に寄り集まり、いよいよ10日後に迫った悪夢のイベントへの対策を練っていた。
「一応聞いとくけど、お前ら今年のクリスマスの予定は？」
3年生で委員長の北山が、大きな目をギラリと光らせた。
裏切り者は許さん、と鋭い視線が語る。
「なんも無いに決まってんじゃん」
「僕はお母さんと2人でパーティーします」
そんな北山に、3年生の二階堂と2年生の宮田が模範的な答えを返した。絵に描いたような非モテクリスマスである。
2人の言葉に満足げな笑みを浮かべる北山。
しかしすぐにその表情を歪めると、手元に広げた手帳に目を落とし、深爪した指の先で「25」の文字を弾いた。
「でもなぁ…今年のクリスマスはちょうど土日なんだよなぁ…」
「え、じゃあ俺らすることなくない？」
「学校が休みじゃ、僕らも邪魔できないですよね」
「そうなんだよ…それが問題なんだよ」
これまで、リア充が幅をきかせるイベントがある日には、校内でカップル共がイチャつけないよう、あの手この手で邪魔をしてきた3人。
それが成功していたのかどうかはともかく…
イベントが土日となれば、さすがの彼らも手出しができない。
リア充の邪魔をするという目的が果たせないということは、今年のクリスマスは彼らにとって、ただひたすら暇で寂しいだけという最悪の日に……
――コンコン、
「北山、いる？」
「！ …藤ヶ谷…」
……なるはずだった。
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作者名：いちはら
| 作成日時：2016年2月10日 0時
