WATARU ver. 30.5.16(2) ページ18
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「…よ、よこーさん…どーしちゃったの?なんか藤ヶ谷みたいになってるよ…?」
「別にどうもしてないよ。俺はただ、ミツのことが欲しいだけ」
「!?」
ほっぺに添えたままだった左手をするりと滑らせて、親指で唇をなぞる。
慌てふためくミツの顔がじわじわと赤く染まっていくことに喜びを感じながら、指で薄く開かせた唇の奥にチャーシューを捩じ込んだ。
そして、
「…これからは、横尾ゾーンにも気をつけたほうが良さそうだね」
「〜〜…っ!!」
ミツの口からはみ出たチャーシューを唇で奪い取れば、チョーカッコイイ第1位は横尾 渉で決まり。
「うっ…うわあああぁぁーーー!!!横尾さんがいきなりバージョンアップしちゃったーーー!!!」
「あっ、ちょっと、ラーメンいらないの?」
「それどころじゃないよぉっ!!横尾さんのばかーーー!!!」
「ばかって…俺何もしてないのに」
俺を突き飛ばす勢いで立ち上がったミツは、顔を真っ赤にして半べそをかきながら裕太と宮田の元に逃げていった。
裕太の腕の中で縮こまって泣くミツは可愛いけど、それを見逃してあげるのも今日だけだよ。
明日からは、俺以外の男の腕の中でなんて泣かせてあげないから。
「……わた、いきなり飛ばしすぎじゃない?」
「そんなことないよ。あれくらいやんなきゃ、ミツは俺のこと意識してくんないもん」
「それにしたってさぁ…横尾ゾーンとか、俺危うく吹き出すとこだったんだけど」
「それは俺も自分で言ってて恥ずかしかった」
右隣で一部始終を見ていた太輔が、哀れむような眼差しをミツに向ける。
北山…ドンマイ。
そんな太輔の呟きには聞こえないふりをして、俺もミツへと熱い視線を送った。
横尾 渉、30歳。
大人の男仕様に、大幅バージョンアップしてみました。
これからはガンガン攻めていくから、覚悟しててよ、ミツ。
fin.
交わす熱 いざなう君の みだれ髪▽横北→←WATARU ver. 30.5.16▽横北
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作者名:いちはら | 作成日時:2016年2月10日 0時