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ファミレス、テーブル席。黒ずくめで額の縫い目が目立つ男と単眼の呪霊が向かい合って話をしていた。
「つまり君たちのボスは、今の人間と呪いの立場を逆転させたいと。そういうわけか?」
「少し、違う」
ボス。この男が頭ではなく彼ら呪霊たちの上にナニカがいるようだ。傍若無人で自由で残虐な呪霊を従えるほどのナニカが。男の言葉に指で机を叩き、訂正をする。
「人間は嘘で出来ている。表に出る正の感情や行動には必ず裏がある」
「だが負の感情。憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。そこから生まれ落ちた、我々呪いこそ」
「真に純粋な
「偽物は、消えて然るべき」
人間とは、何を持って人間というのか。人であるからか。心があるからか。生物の頂点に立っているからか。彼らが本当に欲しいものは、動物のように管理されることなく命を脅かす存在がいることのない人間の地位、そのものだろう。
「…現状、消されるのは君たちだ」
「だから貴様に聞いているのだ。我々はどうすれば呪術師に勝てる?」
「戦争の前に、二つ条件を満たせば勝てるな」
「___五条悟を戦闘不能にし、両面宿儺、虎杖悠仁を仲間に引き込む」
「死んだのであろう?虎杖というガキは」
「さぁ、どうだろうな」
「許可無く見上げるな。不愉快だ」
「小僧」
血が張った床に人間の背骨のようなものが高く設置してあった。牛骨の頭が辺りに散らばって一際積み上げられた上に和服に身を包んだ、両面宿儺の姿があった。そして。
「なら降りてこい。見下してやっからよ」
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作者名:ボーダーライン | 作成日時:2021年11月4日 16時