* ページ6
「なんだいつにも増して辛気臭いな、恵」
そんな言葉を言い地面を踏みしめ二人の前に立ったのは横髪を残しポニーテールで眼鏡、高専の制服を着た勝ち気な女子生徒。
「お通夜かよ」
「禪院先輩」
「私を苗字で呼ぶんじゃ「真希、真希!!」
声の主はパンダ、としか言いようがない。すごい流暢に喋るじゃん。木陰に隠れてマッシュルームカットの男子生徒もいる。パンダのインパクトが強すぎてそこに目がいかないが。冷や汗を噴きだし同級生の発言に苦言を呈する。
「まじで死んでるんですよ。昨日!!一年坊が一人!!」
「おかか!!」
「は、や、く、言、え、や」
「これじゃあ私が血も涙もない鬼みてぇだろ!!」
「実際そんな感じだぞ!?」
「ツナマヨ」
偶々のことだが結構ひどい。何故か食べ物を言う男子生徒と気が強い女子生徒とパンダ。この中ではパンダが一番まともで橋渡しでフォロー役だという現実。どうしてなの。騒がしい彼らについて行けない釘崎が伏黒に聞いた。
「何。あの人(?)たち」
「二年の先輩」
「禪院先輩。呪具の扱いなら学生一だ」
「呪言師、狗巻先輩。語彙がおにぎりの具しかない」
「パンダ先輩」
「あと三人。双子の夏油先輩、夏油先生の養子がいる。それと乙骨先輩って唯一手放し尊敬できる人がいるが、今海外」
「アンタ、パンダをパンダで済ませるつもりか」
一番聞きたい所だ。っていうか夏油先生、子供いたのか。
「いやースマンな、喪中に」
「だが、オマエたちに”京都姉妹校交流会”に出てほしくてな」
「京都姉妹校交流会ぃ?」
「京都にあるもう一校の高専との交流会だ」
「でも二、三年メインのイベントですよね?」
京都姉妹校交流会、聞き慣れない言葉だった。伏黒の疑問に頷き真希が返答する。
「その三年のボンクラが停学中なんだ。人数が足んねぇ、だからオマエら出ろ」
「交流会って何するの?スマブラ?」
「なら三人でやるわ」
「東京校、京都校、それぞれの学長が提案した勝負方法を二日間かけて行う」
「つってもそれは建前で。初日が団体戦、二日目が個人戦って毎年決まってる」
「しゃけ」
「個人戦、団体戦って…戦うの!?呪術師同士で!?」
「あぁ。殺す以外なら何してもいい呪術合戦だ」
交流会とは名ばかりで自らの実力を示し、それをきっかけに昇級する絶好の舞台でもある。血湧き肉躍り私怨も思いも入り混じる、まさに呪術師らしいイベントだ。
74人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ボーダーライン | 作成日時:2021年11月4日 16時