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ビリビリと肌を刺す威圧感。そのプレッシャーに汗を垂らし虎杖は絶句する。


「(コイツが…、弱い…??)」

「(今までの、どんな呪い(バケモノ)よりも、遙かに呪い(バケモノ)!!」


杉沢第三高校の二級呪霊、六本木のビルの三級呪霊、少年院の特級呪霊。これまで会敵した呪いが脳裏を掠めた。けれど、それが優しく見えるほど圧倒的な実力差。以前に宿儺が言っていた。同じ特級という括りでもその格は違うこと。息を呑み、立ち尽くす虎杖にぽんっ、頭に軽く手が乗せられた。


「大丈夫。僕から離れないでね」


大丈夫、その言葉は初めて会った時も言っていた。最強故か絶対的な安心感。この人がいればと思えるくらいの落ち着きを纏っていて。


「領域展開!!」

蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)


印を組み呪力が流れて言うなれば、世界が変わった。そこは、まさに火山の火口。溶岩がありマグマが流れ噴き出した有毒ガスが空中に漂う。


「なっ…!!なんだよ、これ!!」

「これが”領域展開”。術式を付与した生得領域を呪力で周囲に構築する」

「アッツ!!!」

「君たちが少年院で体験したのは、術式の付与されていない未完成の領域だ」

「ちゃんとした領域なら一年全員死んでたよ」

「領域を広げるのは滅茶苦茶呪力を消費するけど、それだけに利点もある」

「一つは環境要因によるステータス上昇。ゲームの”バフ”みたいなもんだね」

「もう一つ」







少年院の時、伏黒は知識があった。だからこそ人一倍焦り分析して判断が速かったのだ。話を続ける五条の顔に巨大な溶岩の塊が迫る。バガッ、と呪力を纏った裏拳で殴打して対処。


「ヂィッ」

「(並みの術師なら領域に入れた時点で焼き切れるのだがな)」


焼き切れないのは五条の実力か無限か。まだまだ青い虎杖が無事なことを鑑みると無限だろうか。もう一つ、と言いかけた言葉の続きを喋りだす。


「領域内で発動した付与された術式は、絶対当たる」

「絶対!?」

「ずぇ〜ったい」

「でも安心して。対処法もいくつかある。今みたいに呪術で受けるか」

「これはあまりオススメしないけど領域外に逃げる。大抵無理」

「そして」

「貴様の無限とやらもより濃い領域で中和してしまえば、儂の術も届くのだろう?」

「うん。届くよ」


ムゲン?、虎杖が疑念を抱くがそれは彼の知らない時の話だ。時期に分かると思うので安心して欲しい。

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作者名:ボーダーライン | 作成日時:2021年11月4日 16時

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