【呪術廻戦】 これは、君を待つまでの物語

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フルボッコだってこれ。虎杖、釘崎、伏黒、吉野は自分たちの教師に戦慄した。もうひと思いに殺してやれよ、可哀想だよ。人間と相容れない呪霊に思わず同情してしまう程ボロッボロな風貌と越えられない実力差は歴然で、呪霊を祓うのが目的ではなく親友と共闘するのが目当てで任務に来ましたと言わんばかり。

”帳”を背に一緒になって戦おうなんて気が起きる訳もなく愕然として見つめる生徒たちに視線を向けた五条と夏油は表情を明るくして手を振る余裕を見せた。


「あっ、来たね。可愛い生徒たち〜、身体が大きい重量級で尚且つ小回りが利く相手にはまず機動力を落とすんだよ」

「そして、身動きができないよう周囲を固めるんだ。いいかい、多対一の場合人数の多さを生かして反撃の隙を作らず絶え間なく攻撃を続けなさい」


黒焦げになった大きな体躯の呪霊の足を五条が吹き飛ばして、崩れ落ちた瞬間を狙って長い紐状の呪霊が地面に縫い止めるように身体に巻き付いていく。拘束され引きちぎろうと力を込めても五条の速さと重さを纏った蹴撃や夏油の数え切れない呪霊の猛攻など途切れることなく続く攻撃に反転攻勢へ移る暇がなく呪霊はただ受け続けるのみ。

本当なら、1年生では到底太刀打ちできない特級呪霊の筈なのに赤子の手を捻るが如く蹂躙されている。課外授業は1年生に特級と戦わせる気なのではと疑ったが、なんだかんだ言って生徒思いな教師は特級呪霊との戦闘を実演してみせて呪霊との戦い方を教えるつもりだったらしい。

ちょっと安心したがそれを上回る最強コンビのヤバさに震える生徒たちを先生格好いいって感激に震えてるのかなと曲解してもっと格好いい所見せようと張り切る五条と夏油に矛先を向けられた呪霊は恐怖に震えた。







「ほら、そろそろ実力見せてくれない？お前の術式、窮地に瀕した時窮地を脱するものを呼び出す召喚術でしょ？それともまだ窮地じゃないって言いたいのかな」

「へぇ、それならもう少し頑張ろうか。うっかり祓ってしまう前に見せてくれるかい、私たちをどうにかできるものがあるのならね」

「繧�▲縺ｦ繧�ｋ縺�！！」


ここぞとばかりに煽り立て、攻撃を激化させる五条と夏油に一矢報いようと地べたに這いつくばって瀕死に近づきながら奮い立った呪霊が雄叫びを上げると共に、呪霊と五条と夏油の間に金色に光り輝く円を描いた中で幾つもの文字が浮かぶ魔方陣が出現する。

起死回生の術式の発動にどんなものが来るのかとワクワクして最強コンビは光を増してグルグル回転していく様子を見守った。夜を模した”帳”の中が凄まじい光源に照らされ耐えきれず目を瞑った時、気配を感じた。

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