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「私はぶっちゃけなんともない。術師やってりゃこういうこともあんでしょ。伏黒じゃないけどさ、結局助けられる人間なんて限りがあんのよ」
「私の…人生の席…っていうか、そこに座ってない人間に私の心をどうこうされたくないのよね」
「……冷たい？ま、アンタみたいに自分で椅子持ってきて座ってる奴もいるけどね」
心の中を覗き込むように横目で虎杖の顔を窺う釘崎が告げたのは、同級生4人の中で誰よりも強い芯を持つ彼女の根幹。生まれ育った田舎の閉じた世界は同調圧力に塗れていて少しでも他と違う所があると針の筵に座る思いをする。そして、そうならない為に個性を潰していかねばならない。
現実と所望が食い違う生活を過ごしていた釘崎の反骨精神とそれでも尚消えることのない自我が客観的視点と強かさを養った。善人を尊び悪人を嫌う、ある意味他者を勝手に判別する傲慢な考えを持つ同期を引き合いに出して全て救える訳ではない現実を優しい友へやんわりと突きつける。
人を殺すのは呪術師になると決めたとて、いつだって慣れない。悪い術師、呪詛師と戦ったらどうするか、以前吉野が虎杖に問いかけた質問だ。その時、彼は殺したくはないと言った。一度人を殺せば”殺す”という選択肢が己に入り込む、命の価値が曖昧になり大切な人の価値まで分からなくなるのが怖いと。
今の状況はあの時考えた想像と一緒で。今の虎杖に、同じ問いを投げかけて果たして同じ答えが出るだろうか。
「フォローする訳じゃないけど、呪霊か呪詛師か気にしてる余裕なかったじゃん」
「
「……でも」
「アイツ…、泣いたんだよ。目の前で弟が死んで」
釘が頭を貫いて絶命した血塗を見た壊相の思いが許容量を超えて拭うこともせずに零れだした涙を、攻撃を加えようと接近した虎杖は知っていた。あれは偽りなんかではない。軽い気持ちで兄弟を騙っていた訳ではない。
無二の、かけがえのない、変わりなど存在しない最愛を失った痛みが胸を突き刺して拳を叩き込まんとする敵の前で呆然と流した募る感情の雫だった。それを、虎杖は知っていた。気付いて、しまった。そこには心があったと。人間を殺す本能がある呪いではなく人間を殺す生業をする呪詛師でもなく、その瞬間は、その瞬間だけはただ弟を希う兄だったと。
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ボーダーライン(プロフ) - セツさん» わぁ、初コメ有難うございます！そんな、全然失礼なんかじゃないです。嬉しいです！コメントがやる気に繋がります。続編のプロローグは黒影にスポット当てようと思ってるのでご注目宜しければ。コイツの”叫ぶ”を書いた時は感情移入して泣きました。続き頑張ります！ (6月12日 22時) (
レス) @page50 id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 初コメ失礼します。続編おめでとうございます！続き楽しみにしているので、頑張ってください! (6月12日 21時) (レス) id: a9c1286aea (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - そらさん» コメント有難うございます。2ヶ月近く更新してないので大分お待たせしてしまってすみません！完結まで構想練っているのであとは気力次第。ぼちぼちやりますかぁ！（逃げ道を絶つ）紆余曲折あると思いますがこの大長編にお付合い下さい。これでもまだ中盤なの（小声） (2023年3月27日 16時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新楽しみにしています！ (2023年3月27日 0時) (レス) @page2 id: b809f0b9bc (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！焦ったぁー！！気付かせてくれて本当に感謝！ (2023年1月1日 14時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボーダーライン | 作成日時：2023年1月1日 14時
