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宿儺の指の回収、そう宣った目の前に立つ変態染みた格好の男を警戒を崩さず睨みながら釘崎は冷や汗を滲ませる。男の言う通りならば、ここには宿儺の指が眠っていて、それを持っているのは恐らく領域を展開した者で、先程別れた伏黒と吉野、虎杖と会敵していても可笑しくはない。
刹那、向かい合う両者は肌で感じた呪力に表情を強張らせる。離れても感じ取れる程濃く発するその本元は状況を鑑みて一つしかない。そしてそれが意味することに双方思考を巡らし奇しくも同じ結論を弾きだした。
「(急に現れた大きな気配…、宿儺の指が結界から出たのか。もし指の寄主を祓ったのが術師だとしたらなかなか…)」
「(だとしても指の…、特級相当の呪霊と殺り合って勝ったとして無傷で済むわけないでしょ。アイツら大丈夫かしら)」
回復役の吉野がいるとは言え、等級の差は歴然。攻撃してこずに逃げ回るだけだった呪霊狩りが数段上にレベルが上がった。釘崎に心配が募るが眼前の敵を放置して助太刀に行く訳にもいかない。託してこっちに来たのだ、まずコイツを狩ってからじゃないと面目が立たない。金槌を握り直した矢先に突如男が向かい合った姿勢のまま後ろに飛んで逃走を図った。
「失言。私が話したことは忘れて下さい」
「(！！コイツ指の所に向かう気か！！)」
「待てや！！」
思い切り腕を振って推進力を増しながら追いかける。指を手に入れるのが目的なら所持しているであろう手負いの仲間を襲ってでも達成するだろう。行かしてはならない、ここで留める。後ろ向きに走る男は追わない術師はいないと想定していたのか、挑発の笑みを浮かべてみせる釘崎を前にしても余裕の態度を崩さずに背後を向けて全力で振り切ろうとはしなかった。
「ナメた走り方しやがって。そんなんでちぎれると思ってんのかよ」
「…私、自分の背中がコンプレックスでして。＿＿＿警告です。私の背中を見たら殺しますよ」
「あ、釘崎」
「あ、兄者」
見た者は生かしておけないと語るその背中を、直後に領域から出て兄を求めた弟と弟を追跡してきた虎杖が見紛うことなくがっつり視認する。後方、現れた2人の声に驚愕と硬直に染まった男は、即座に振り返り羞恥と怒りをぶちまけた。
男のコンプレックスの象徴、背中は皮膚が爛れて顔のようなものが浮かびあがり目からは赤い液体が流れ落ちている。男が姿を見せてから周囲に漂う匂いの発生源はここからだ。紳士的な振る舞いとはかけ離れた醜悪な一面、それは男の心を抉るには十分で。
「みっ、みっ、みっ、見たなぁああ！？」
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ボーダーライン(プロフ) - セツさん» わぁ、初コメ有難うございます！そんな、全然失礼なんかじゃないです。嬉しいです！コメントがやる気に繋がります。続編のプロローグは黒影にスポット当てようと思ってるのでご注目宜しければ。コイツの”叫ぶ”を書いた時は感情移入して泣きました。続き頑張ります！ (6月12日 22時) (
レス) @page50 id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 初コメ失礼します。続編おめでとうございます！続き楽しみにしているので、頑張ってください! (6月12日 21時) (レス) id: a9c1286aea (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - そらさん» コメント有難うございます。2ヶ月近く更新してないので大分お待たせしてしまってすみません！完結まで構想練っているのであとは気力次第。ぼちぼちやりますかぁ！（逃げ道を絶つ）紆余曲折あると思いますがこの大長編にお付合い下さい。これでもまだ中盤なの（小声） (2023年3月27日 16時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新楽しみにしています！ (2023年3月27日 0時) (レス) @page2 id: b809f0b9bc (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！焦ったぁー！！気付かせてくれて本当に感謝！ (2023年1月1日 14時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボーダーライン | 作成日時：2023年1月1日 14時
