カラオケにて(red) ページ9
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友達に呼ばれて人数合わせできた合コン。
全く乗り気じゃなくて、居酒屋での食事が
終わったらすぐに帰ろうと思って荷物を準備してたら
「えー？帰っちゃうの？次も行こうよ」
今いる男性陣で最も苦手なコンパいっぱいしてそうな人に見つかって無理やりカラオケに連れて行かれた。
正直、彼氏と別れてから数年経ってそろそろいい人見つけたいと思っては居たけどそのいい人が居なくてずっと元彼を引きずってる。
女の人ってすぐ次の恋愛に切り替えるって言うけどそれが出来てない。
みんなが、何歌う〜？なんて楽しそうに喋ってる中で私だけ端っこの席でジュースを飲みながら時間が経つのを待っていた。
ふと、耳に心地いい歌声が聞こえて来て歌っている人を見ると背の高くてハーフっぽい顔した人だった。さっきまで一緒に食事をしていた内の人なのに全然興味なかったんだな。
でも、凄く歌が上手いし懐メロ歌ってるしなんか不思議な人だなって目が離せないでいるとパチッと目があってニコッとされちゃって思わず視線を逸らした。
「ねぇ！」
「へっ？？！」
さっきまで歌ってた彼が隣に。
「な、なんですか？」
「つまんない？」
「いや、別に…。というか、歌上手いんですね」
座ってても背がおっきいし、声も大きい、迫力が凄い。
「褒めてくれるんだ、ありがとう」
「…もっと聞きたいって思っちゃいました」
そう言うと彼は、照れてるのか薄暗くても分かるくらい顔が赤くなってる。
「照れ屋さんなんですね…？」
「えへへ。直ぐに顔に出ちゃうんだよね」
「かわいいですね」
言った瞬間ハッとした。男の人って自分のことかわいいとか言われるあんまり好きじゃなかったはず。
「あ、ごめんなさい、かわいいとか失礼ですよね…」
「全然！そんなことないよ、俺はかわいいって言われて嬉しい」
嬉しそうに笑う顔がかわいい。この人は、身体こそ大きいけどとても可愛らしい人なのだろう。
「そう言えば、まだ名前言ってなかったね。俺はジェシーって言います、良かったら今度2人でカラオケに行きませんか？」
さっきまでタメ口だったのに敬語になってちょっと可笑しい。
「ふふっ。私は、Aって言います。ジェシーくんが良ければぜひ。」
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作者名：おでん | 作成日時：2019年6月19日 16時
