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今日もいつもどうり少し早く来て開店準備をしていた。
開店まであと1時間と少し。
ガチャッと準備室のドアを開ける音が聞こえた。それと同時に、
『ふわぁ〜ぁ』と気の抜けたあくびが聞こえてきた。
「あ、甲斐田さん。こんばんは」
kid『おぁ、Aちゃんお疲れ様。開店準備ありがとね』
とにっこり笑って言ってくれた。クソかわ。
「とりあえずグラスとかお菓子とかの準備終わったんで、あとシャンデリアの電気つけるのと、今日の飲み物の確認だけです」
kid『了解！てかいつもありがとね、Aちゃんのおかげでいつも助かってるよ！』
にこにこしながら甲斐田さんは頭を撫でてきた。
「えっ、あっ……」
いきなりそんな整った顔で頭撫でられたら動揺しますよ。
あんまり頭撫でてもらうことないからびっくりしちゃったわ。
kid『あ、ごめんやだった？』
眉毛を八の字にして少ししゃがむ体制になり私の顔を覗き込んできた。ぎゃあ顔がいい。
「あ、え、いやその…頭撫でてもらったことあんまり無いっていうか…びっくりしただけなんで！大丈夫です！」
そういうと甲斐田さんは少し黙った後、いきなり私の手を掴み、
『ちょっときて』と引っ張った。
向かった先はパイプ椅子。
「えっ？ちょとまっ『座って。』
突然真面目な顔で椅子に座ることをうながされた。断る理由もないのでとりあえず座った。
すると甲斐田さんは私と向かい合うかたちで膝立ちをした。え？王子かよ。
そして私の両手を軽く握って、
kid『なにがあったか深くは聞かないけど、もしなにかあったらいつでも話していいんだからね？』
僕に話しづらいなら別のやつもいるんだからさ！と小さい子どもを元気づけるように励ましてくれた。すごいな、なんで分かるんだろ。
「お母さんじゃん……」
余りにもママすぎて言ってしまった。
kid『ﾌﾞｯwあっはははwww』
いやめっちゃ笑いますやん。
でも元気でたかも。
「ありがとうございます。元気でました。」
うんうん と頷いて、それから
kid『さ、今日も頑張るか！』
と肩を回しながら更衣室に入っていった。
「……ありがたいなぁ」
だからこそ、離れてほしくない。もちろんみんなにも。
そう思うことはやはり贅沢なことなのだろうか。
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天羅 - anneelly0117さん» 読んで頂きありがとうございます！面白いと思っていただけて嬉しいです！更新頑張ります〜(〃'▽'〃) (9月24日 17時) (
レス) @page32 id: 221f56855e (このIDを非表示/違反報告)
anneelly0117(プロフ) - すごく面白いです！更新待ってます／(^o^)＼ (9月7日 23時) (レス) @page30 id: a78d0e3408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天羅 | 作成日時：2023年2月12日 4時
