全力少女2 (ページ7)

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愛しい子橙ページ7

Aちゃんはホンマもんのお人好し

お人好し、というか、世話好き、って言うたほうが正しいんかな？

実家に帰った時ぐらいゆっくりしたらええのに

僕らと家族全員のご飯作って

合間に上の姪っ子ちゃんにピアノ教えてあげて

ほら、今やって……

『お肉焼けたで！ふぅ、ほら食え、来週大会やろ！？』

『すばるくん！それまだ！！大倉、それ焦げる！』

『るぅは食べんの？…シュンちゃん！妃奈の取らない！！』

BBQで自分は食べんとみんなのを焼き続けとる

しかも左腕にはお眠状態のるぅちゃんを抱いて

ゆうちんが「代わるで？」言うても「大丈夫やで、ありがとう」

って、笑顔で返しとるし

錦戸「お前食うてないやんけ」

安田「ホンマや！食べな、ほら、代わるから」

『ええよ！みんなにおもてなししたいし』

『…あっ！亮ちゃん、大倉が亮ちゃんの肉食うた』

錦戸「おおくらぁ！！」

あーあ、またやっとるわ、あの2人

やなくて！！

Aちゃん、どんだけ優しん！？

僕らのこと考えすぎやって……

丸山「Aちゃん、口開けて」

『？…あー、、あっつ！！』

こうなったら無理矢理食べささな

出来たての牛肉を口ん中でハフハフさせながら

なんとか飲み込んだらしい

丸山「美味しいやろ？」

『熱すぎて、なんも分からんかった…』

丸山「嘘やん」

渋谷「A！」

さっきのを見とったらしい渋やんが

Aちゃんにビール缶を飲ませてあげてる

最初は缶の傾きもちょうど良かったんやけど

だんだんと角度を上げるから飲み切れず

口の端からビールが溢れた

『んぅ！！…んん！んん！』

限界やったらしく渋やんの腕をペチペチと叩くと

やっと缶が離れていった

『窒息するわ…』

渋谷「ほら、肉食え」

そう言う渋やんの右手にはトング

いつの間に……

『…何やねんなぁ。マルちゃん、お肉食べよぉ』

丸山「ほーい」

僕らの大事な大事なお嬢様

無理せんでええから、僕らのこと、頼ってな？