全力少女2 (ページ14)

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おかえり、Crown ページ14

『んーっ！着いたー！』

改修工事が終わった音楽堂

なんか前来た時より大きいような……

母「リハーサル室と楽器の収納スペースが増えたんよ。お父さんがまた楽器持って帰ってきたから」

『それで……』

ｼｭﾝ「オトン、えげつな…」

ﾘｭｳ「俺らはそのえげつない親父の息子なんやで？」

『ちょっと待って、私は娘！」怒

渋谷「えっっ！？！？」

『おいオッサン、しばくぞ！？』

祖父「ごちゃごちゃ言っとらんと、はよ確認せな」

とりあえず、兄貴とオッサンを黙らしといて

おじいちゃんの後に続いてホールの中へ

ロビーから大ホールに続く扉を開けると真正面に見えたのは

『おかえり、Crown』

大倉「Crown…？」

『パイプオルガンのこと。全体の形が冠みたいやから、ひいおじいちゃんが』

何年かぶりに会ったパイプオルガン・Crown

彼は私が生まれるずっと前からここを守ってきた守護神

私がこの世界に進むと決めた時もデビューが決まった時も

彼の元へ来ては勇気を貰ってたんやで

祖父「A。弾いてみなさい」

『…はい』

彼の元に来たことはあっても弾いたことはない

弾くことが許されないと思ってたから

鍵盤の前に立つと何かが降りてくる……気がした

それはひいおじいちゃんなのか、音楽の神なのか

それともCrownの魂なのか、分からない、分からへんけど…

ただ純粋に、Crownの音を奏でたい。それだけやった