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甘いもの ページ15

「ただいま〜!」








あくまで平静を装って、普通に帰宅する。






森「おかえり。買ってきてくれた?」





「うん!バッチリだよ!」








そっか、と嬉しそうに笑う剛くんの手首を掴む。








「ね、ご飯食べに行こう?」






森「なんだよ急に(笑)」





「いいじゃん、美味しいもの食べたいんだもん!」





森「行こっか。」








くるり、と手を返して、指を絡める剛くん。







ほんとにずるいよね、と心の中でつぶやく。









2月の街中はまだ寒さが厳しく、繋がれた手の温もりが心地よい。








森「何か食べたいもんあるの?」






「んー……剛くんは何が食べたい?」






森「俺? んー……肉(笑)」






「肉? 焼肉でも行く?(笑)」





森「それもいいかもな。」









ゆっくりと、2人並んで歩いていく。









森「寒いね。」








マフラーにすっぽり口元まで隠して、剛くんは言う。








「寒いね。」









肩が触れ合うくらいに近付いて、きゅっと手を握る力を強める。









お店で、お腹いっぱいになるまで食べて、ずっと笑って、また来た時と同じ道を引き返す。









森「うぁぁー、お腹いっぱい。」








部屋に入るなり、パタっとソファーに倒れ込む剛くんを無理やり起こして、リビングの電気を消す。





何何、とちょっと狼狽える剛くんに、昼間買ったケーキを運ぶ。








とびっきり真っ赤なイチゴがたっぷり使われた、剛くんだけのバースデーケーキ。





“24”のロウソクに火を灯して、バースデーソングを口ずさむ。









「お誕生日おめでとう、剛くん。」









森「……ありがと。」









照れくさそうに鼻を掻きながら、小さく告げられる。






ふーっ、と一息に火を消す剛くんが、たまらなく愛しく思える。









電気をつけると、耳まで赤く染まった剛くん。









「甘い物、ちゃんと買ってきたでしょ?」






森「うん、すげぇ嬉しい。」









そうだ、と剛くんはおもむろに携帯を取り出し、カメラを起動する。









森「こんなお祝い、嬉しすぎるだろ。」







何枚か写真を撮って、満足気に微笑む剛くんが、どうしようもなく好きなのだと、改めて気付かされる。




まだ、剛くんの誕生日の夜は終わらない。

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ゆかちょ(プロフ) - 坂本くんの続きは更新はされていないですよね?続きを楽しみにしています!頑張ってください(^^) (2018年10月1日 2時) (レス) id: 7c1873dff6 (このIDを非表示/違反報告)
細めの王子 - もうずっと悶えてます!!更新頑張ってください (2018年5月2日 15時) (レス) id: 743b1a35c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kaedem1127(プロフ) - まだ続いてますよね?!更新おねがいします! (2018年4月9日 13時) (レス) id: 61783b8fd9 (このIDを非表示/違反報告)
フェロモン(プロフ) - 完結となっていますが坂本くんの続きと岡田くんのお話が気になって仕方ありません 更新してほしいです (2018年2月3日 20時) (携帯から) (レス) id: 323e5fefb1 (このIDを非表示/違反報告)
にのりん(プロフ) - この話を読んでて、キュンキュンしました。完結が楽しみです!更新頑張ってください!! (2016年8月20日 17時) (レス) id: 0f924e8161 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とまと缶。 | 作成日時:2016年3月9日 15時

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