続 : ソノ恋依存性ニ注意セヨ。[時透無一郎]

依存性㉜ ページ5

無一郎side


なんだか最近やけに静かな気がする。

任務から帰って来ると
大体いつもめんどくさいなあって
思う事が何かあった様な気がするんだけど。


ボーッと空を眺めながら
なんだっけ…と考えてみても思い出せない。

でも、なんとなく〈物足りない〉そんな気分。


銀「何カ悩ミ事デモ有ルノ？」


僕の膝の上で気持ち良さそうに撫でられていた
銀子が心配そうにこっちを見る。


無『何だかいつもと違う様な気がするんだけど
思い出せなくて』

銀「…ソウナノネ (アノ女ノ事カシラ…教エナイケド)」






そんな日が数日続いた頃






任務を終えて屋敷へ戻った僕は今日は身体を休めよう…


そう思ってはいたものの
やはり静かな屋敷に違和感があった。

なんだろう、この違和感。


そんな事を考えながら、縁側で横になる。








「霞柱様！」


……誰？


「継子にして下さい！」




そう言う彼女は真っ直ぐに俺を見ていた。






いつの間にか眠っていたようで
ふと、何かの視線を感じ目を開けると


夢の中の彼女が目の前に現れる。




時『……何？』



A「あ…っ、その…おはようございます！！」


と大きな声が響く。




時『うるさい。
僕に何か用事でもあるの？
昼寝を邪魔するくらい重要な用事なんだよね』


僕がそう言うと


A「え、と…継子にして下さい！！
それが駄目なら稽古付けて下さい！！！」

と頭を下げた。



夢と同じその台詞

やけに静かだと思ったのは
この人が来てなかったからなのか。


時『……あ、君…毎日お願いに来る人だ。
ここ最近、なにかいつもと違うと思ったら
君が来てなかったんだね。
鬱陶しいくらい、いつも邪魔しに来るのに』


僕がそう言うと“少し蝶屋敷で休養してまして”
と気まずそうに言った。


時『…怪我でもしたの？』


A「いえ！ちょっと鍛錬で色々ありまして…」



なんだ、鬼と戦って怪我した訳じゃないのか

そう思うと、なんとなく安心した自分がいた。





時『で、君は何しに来たんだっけ…』


A「継子にしてもらいにです！！」


時『あぁ、そうだったね。断る、めんどくさいし』


継子を育てるなんて時間の無駄だよ
そう思いながら僕はまた縁側に横になった。


“そこを何とか……！！”



と中々引き下がらない彼女。


時『何度も同じ事を言わせないでくれる？』


そう言って彼女に背を向ける。



“…また明日、お願いに参ります”と
彼女の悲しげな声だけが耳に残った。

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