続 : ソノ恋依存性ニ注意セヨ。[時透無一郎]

依存性57 ページ32

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任務を終えた私は霞柱様の御屋敷へ急いだ。


霞柱様に会いたい、一秒でも早く…。



訃報が届いたから？

【柱】と言う存在が負けたから？

大切な仲間を…、失ったから……？


きっとどれも正しくて、これが霞柱様だったら
私はもう生きていけないかもしれない。

そう思う程、苦しかった。


煉獄様は強かった。
詳しい事は分からないけど
きっと沢山の人を救ったのだろう。


柱は強い、負けない、負けるはずが無いと
ずっと思ってた。



だけど…っ、、




分かってる、皆命を張って戦ってる。



私だってそう……


何度も命を落とし掛けた。



だから、いつ死ぬかなんて分からない。


分かってたのに、分かってなかった。




A「はぁ…はぁ……っ、か、霞柱様！！」


縁側に座る霞柱様を見付けて、その名を呼んだ。





時『何？……そんなに急いで…っ？！』



ギューっとその身体を抱き締めると
温かい、生きてる……と実感した。



数秒、ほんの数秒の出来事だったが
何時間もそうしている様な感覚になる。



“何してるの？”と言う声にまた安心して涙が溢れた。



身体を離すと目の前には驚いてる
霞柱様の顔がある。


時『え？なに…？何か変なものでも食べたの…？』



突然泣き始めた私を見て戸惑っているのが分かった。


A「すっ、すみ…ませ……ん」



時『何に対して謝ってるの？
別に謝る必要はないよね、早く泣き止みなよ』


そう言った後に横に座る様に言われた。



時『……落ち着いた？』


泣き止むまで待ってくれてた霞柱様、優しい。


A「はい……すみませんでした…」


ふと我に返ると、やらかした感がすごい。


突然抱きつくとか、危険人物認定だわ…


時『だから、何に対して謝ってるの？』


A「突然…その…抱きついてしまったので……」

時『あぁ…別に、気にしてないから』


気にもされてない私ちょっと可哀想じゃない？！
っと思いつつ、怒られなくて良かったと
安心する自分が居る。



霞柱様も訃報聞いてるよね…？

気にしてなさそうだから
忘れてるのかもしれないけど…








すると霞柱様が






時『柱が負けたから不安にでもなったんでしょ』






空を見上げながら言う、その一言が重くのしかかった。





その通りだから……。

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