続 : ソノ恋依存性ニ注意セヨ。[時透無一郎]

依存性㉙ ページ2

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いたた…

身体の痛みで目が覚め、ゆっくりと瞼を開ける。

そこは病室でなんと言うか古い。


あれ？…私階段から落ちたんだったよね？



？「あら、A目が覚めたんですね」



ドアから入って来た見覚えのある人物




A「胡蝶様…！」


えっ…胡蝶…様？
咄嗟に出た言葉に自分でもびっくりする。


胡「また随分とボロボロになるまで鍛錬したようですね？
あれ程、無理はしない様にと何度も言ったつもりですが…
時透くんに認めて貰いたいのは分かりますけど」


口は笑ってるのに目は笑ってない。


【時透くん】聞き慣れた名前に反応してしまう。



A「すみません…少しでも強くなりたくて」

“身体を壊しては意味無いでしょう”

と私の肩に手を優しく置いた。


何これ、夢…？にしてはリアルだけど…。
自分の意思と関係なく言葉が出てくる。


A「自重します……」


胡「そうして貰えると私も助かります。
アオイが朝餉を用意していると思うのですが
食べますか？」


はい！と返事をすると“では、伝えて来ますね”と
部屋を出て行った。



ふと外を見ると、見慣れた景色があって
懐かしさと共に現世(まえ)の記憶が
段々と薄まってる様に感じた。



私は鬼殺隊の隊士で任務を遂行しながら
鍛錬している真っ最中


胡蝶様の言った時透くんとは
霞柱様の事で剣を握って2ヶ月で柱になった凄い人。




……そして、私の想い人だ。




昔、鬼に襲われた時も
数ヶ月前に任務で苦戦していた所を
助けてくれたのも霞柱様だった。


きっと、忘れていると思うけど…



霞柱様に認めて貰いたい



その一心で鍛錬に励み
いつしかその思いは恋へと変わっていた。




ちなみに、恋柱の甘露寺蜜璃ちゃんとは
幼い頃からの知り合いで色々あって居候させてくれてる。


A「また蜜璃ちゃんに怒られるなあ…」


？「そうですよ！Aさんは無理し過ぎです！
しっかり食べて早く元気になって下さい！」


そう言って部屋に入ってくるアオイちゃん。


A「ありがとう。
アオイちゃんの作るご飯が食べられるのが
此処での唯一の楽しみ！」


私がそう言うと


“全く、Aさんは…！”と言いつつ


ア「早く良くなって下さいね！」

と労いの言葉をくれた。




…早く良くなって、あの方の所に行かなくちゃ。


そんな事を考えながらご飯を口へ運んだ。

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