私とあの人の秘密の関係 (ページ10)

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story8 ページ10

目黒side
　

ラ「めめ～今日さ、みんなで飲みにいくんだけど、めめも行かない？」

仕事が終わったあと、ラウールにそう誘われた。
行く、といいかけて、Aのことを思い出した。

目「、、、ごめん、今日はちょっと用事ある。」
ラ「そうなの？」
向「そやで！めめはAちゃんにバレンタインチョコをもらうっちゅう大事な用事があるんや！」
目「康二？( =＾ω＾)」
向「すいませんすいませんすいません本当にすいません」

メンバーで飲みに行くのも断って早めに帰ってきたのに、チョコをもらえないとかはさすがに嫌すぎる。どうかもらえますように、と祈って、ドアを開けた。

目「ただいま～」
『！！！ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾌｯ』
目「！！？」

帰ってきて3秒で抱きつかれた。いやどういう状況これ。Aの顔も見えないし。

目「、、、あの、Aさん？」
『、、、寂しかった』

え、可愛い。可愛すぎんだろなんだよこいつ。いつもより早く帰ってきたのに寂しかったとか可愛すぎんだろ。

ふと、奥に目をやると、そこには綺麗にラッピングされた箱が置いてあった。

目「、、、A、あれって」
『！、、蓮くんのために作った』

Aが俺のことを君づけで呼ぶときは甘えたいとき。そのくらい今までの経験で知っている。

目「、、食べてもいい？」
『うん』

Aをそっと離して手に取った箱は、丁寧にラッピングされていた。
ふたを開けると、お店で見るようなドーナツが入っていた。
確か、バレンタインに渡すドーナツの意味は、

ーあなたが大好き

目「！！」
目「意味まで調べて、作ったの、、、？」

俺は仕事柄どっかで聞いて知ってたけど、Aはそんなことを気にするような性格じゃない気がした。

『､、、うん』
『でもね、これだけじゃ足りないの』
目「？これで充分だよ？」
『ううん、』
『私の蓮への思いは、これだけじゃ足りないの』
『それに、このドーナツ、ちょっと苦いでしょ？』
目「！！！」
『だからね､、、』
『もう1個、プレゼントあげる』

ﾁｭｯー
その音と同時に、俺の頬に熱い何かが触れた。

目「､、、」
『､、、じ、自分からやったの初めてだから、その、よくわかんないけど､、、』

目「､、、俺も足りない」
『､、、え？』
目「俺もこれだけじゃ足りない」
目「もっと、欲しい」
『！！ちょ、蓮、、待っ、、、！』

俺は、Aの言葉を待てなかった。