私とあの人の秘密の関係 (ページ44)

今日:148 hit、昨日:96 hit、合計:16,620 hit

story42 ページ44

『ってことがあって､、、』
渡「なるほどねぇ､、、」

親身になって話を聞いてくれた翔太。
その顔がなんだか懐かしくて、なぜか泣きそうになった。

昔私が欲しかったおもちゃを買ってくれなかった両親に、『パパもママも大っ嫌い！！』って言って家を飛び出したことがあったっけ。そのときに逃げ込んだのが翔太の家だったなぁ､、、

渡「Aは夜ごはんのこともあるからって目黒を気遣ってそう言ったんだよね」
『そうだよ､、、なのに何で､、、』
渡「うん、でもさ？それはきっと蓮も一緒なんだよ」
『､、、え？』
渡「だって、蓮がそんなに怒ったのはAのことが好きだからに決まってんじゃん」
『､、、』

あの時もそうだった。泣きながら整理もつかないまま溢れだす言葉を、翔太は辛抱強く聞いてくれた。そして、私に同情してくれた後にちゃんと教えてくれたんだ。

渡「でも、Aってなんでものんじゃうじゃん」
『え？どういうこと？』
渡「そのおもちゃ、ねおきじいさん？がはいってるんだって。それのんじゃったら、しんじゃうってママがいってたよ」
『そうなの？』
渡「そうだよ。Aのパパとママは、Aがしなないようにいったんだよ」

確かに、小さいときの私は誤飲事故が多かった。寝起きじいさんってのは多分ネオジム磁石なんだろうけど、それでも私には十分すぎるくらい自分のしたことが理解できた。
そして、翔太は私と一緒に両親に謝ってくれた。優しかったなぁ､、、

『､、、寝起きじいさん』
渡「寝起きじいさん？なんだそれ」
『ううん、何でもない。帰ったら蓮に謝らなきゃ』
渡「だな。一緒に謝ってやろうか？笑」
『いいよ別に笑』

本当は謝ってくれてもいいんだけどな､、、なんつって。