story32 ページ34
阿「瑠那さんは、それでいいんですか？お姉さんにずっと意地悪されて、負けてばっかりで、辛くないんですか？」
瑠那「､、、」
阿部ちゃんはゆっくりと、その言葉を瑠那さんに噛み締めてもらうように、徐々に理解してもらうように、そう言った。でも、たったそれだけのことが、瑠那さんの人生において、何か核心をついているような、大事なことだったのかもしれない。
阿「目黒もAちゃんも、お姉さんには一度しか会ったことがないし、なんなら俺達は顔すら知らない。だから、あなたのお姉さんー瑠香さんのことは、俺達はよく知らないんです」
瑠那「っ！そうですよ､、、だから、！」
『(､、、ん？)』
阿「でも、瑠香さんがどんな人であろうと、人の弱みにつけ込んで、人の体も、心も、傷つけることは、許されません」
瑠那「､、、」
『(､、、)』
とりあえず色々２人に聞きたいことがある。というか、そもそも阿部ちゃんはなぜ、自分達は桐野瑠香の性格を知らない、という前置きをしているのか。そして、瑠那さんの「だから、！」という反応は何なのか？まるで、桐野瑠香が本当はこんなひどい人ではないというようにー
ラ「ちょ、ちょっと待って、」
佐「話の内容が全然つかめないんだけど！？」
向「というか何か話の方向が変わってへん！？」
私が思ってたことと全く同じ突っ込みの嵐がきた。共感したいけど、阿部ちゃんが困ってる。
くそ､、、阿部ちゃん推しじゃなきゃ私も突っ込み大会に参戦してたのに､、、
突っ込み大会の参戦は諦めて、大人しく阿部ちゃんの話を聞くことにした。
阿「皆、あの写真を見て」
その言葉を聞いて、阿部ちゃんが指差した方向を見ると、
そこには、仲良く肩を組んで並んでいる桐野姉妹がいた。
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作者名：ハロハロ | 作成日時：2024年2月12日 18時
