逃げるが勝ちか負けか ページ26
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中は至ってシンプル、…煙草の香り以外は。
適当に座ってろと私たちに背を向けキッチンに立つ深澤さん
「ふっかふっか、これなに？」
「普通のお茶だよ。悪ぃか。」
「えーさくまオレンジジュースがいいー！」
なんだか楽しそうだ
…煙草に火を点けて、「で？」と深澤さんの眉毛が上がる
「俺のなにが知りたいわけ」
『何って…』
「なんで俺や阿部ちゃんと仲良しなのかって気になるんだよねえ、Aは！」
『！』
「お前そんなこと気にしてたわけ？」
『そんなことって…それ以外にも聞きたいことはずっとあって！』
「俺が佐久間や阿部ちゃんと仲良くなった理由？」
ふぅ〜と視界が白くなってぼんやりと深澤さんの顔が見えてくる
横で佐久間さんはコホンと咳き込む
「俺を俺として扱ってくれるから。」
『それは、その…家のことですか？』
「…ああ、そう。…褒められた仕事じゃねえ。…けど俺ん家のこと知っても変わんねえ奴らだったから」
「……だってかっけぇじゃん？ 自分の名前の組が存在するってさ！ な！」
「頭ん中おかしいんだよ、佐久間も阿部ちゃんも」
ほんの少しだけ絡まっていた糸が解れた感覚
けれど一番気になっていたことはそんなことじゃない
『…いつか、継ぐんですか？それって、』
「…親父が死んだら必然的にそういう流れになるんだろうな」
『そう、なんですね』
「……けど俺は継ぐ気なんかさらさらねぇけどな」
『……』
「知ってんだろ、俺のこと。……めんどくせぇの嫌いなんだよ、昔から。 だから、逃げてんだよここに。」
…どれだけの重荷を抱えて生きているんだろうと思った。多分、こうやって逃げてるほうがめんどくさいだろうに
『……あの、もう一つ聞いていいですか？』
「ん、」
『……深澤さんはどうして絶望した、みたいな顔をしてるんですか？』
「………ハ？」
「ぷっ にゃははっ！ Aかわいい〜」
『え、え、？どこにも笑われる要素はないですけど！私は真剣に、』
「……、とだよ。」
『え？』
後悔先に立たず、とはこのことだろう。
「この顔は元々だっつってんだよ！」
『………っ、』
「んにゃ〜A泣くなよ〜ほら！さくまの胸に飛び込んでおいで〜！」
『泣いてないですから！』
「でもでもヒカルとショータがいなくて良かったね！コメカミぶち抜かれて今頃天国だったよ！」
………ハ？ナニソレ？
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Emma(プロフ) - 星10じゃ足りない！評価ボタンってなんで連打出来ないの？と思うくらい素敵な作品でした…。完結､続編おめでとうございます。何度読んでも興味深く素敵な作品だと思います｡改めまして､ひとまず､お疲れ様でした｡ (2020年9月7日 11時) (
レス) id: fe7283b053 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまそ - 読んでいてすごく楽しかったです。どんどん続きが読みたくなって完結してしまった時は楽しみが一つ無くなってしまった、と寂しくなりました。また番外編や続編が読めたら嬉しいです。他の作品も更新楽しみにしております。 (2020年8月2日 8時) (レス) id: f5b8401e26 (このIDを非表示/違反報告)
ばやし - 読みやすく引き込まれる作品は久々でした。これからも繰り返し読ませていただきます。続編見れたらな、、、と密かに願っております。 (2020年7月6日 11時) (レス) id: e0a81c1a31 (このIDを非表示/違反報告)
べぺ(プロフ) - 読むのがちょー楽しかったです。また繰り返し読みたいと思います。完結おめでとうございます！お疲れ様でした。 (2020年6月1日 20時) (レス) id: fc36e1dc04 (このIDを非表示/違反報告)
aichon(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新されるのを楽しみにして読んでました！読みやすく引き込まれる作品をありがとうございました！次作も楽しみしております (2020年6月1日 19時) (レス) id: 48be932e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴
| 作成日時：2020年5月10日 17時
