ナニモノデスカ ページ25
.
阿部くんも「あ、今日土曜か」って
「そっかありがとう」
『…あのさ阿部くん』
「ん？」
『深澤さんって、ナニモノなの？』
誰も何も教えてくれない。むしろ誰も知らないんじゃないかって、
だけど日が経つにつれてこのモヤモヤの気持ち悪さが増えていくのはたしかだった
「……ふっかに直接聞いたら？」
『でも阿部くんは知ってるんでしょ？』
「どうかな？アイツの考えてることは俺にも全然理解出来ないから」
『……ならなんで一緒にいるの？』
「うーん…」
しばらくの沈黙のあと
「あ。ごめんバイトの休憩終わっちゃう、切るね」
『あ…』
はぐらかされて、切られた。
「ふっかに直接聞いたら？」なんて投げやりで冷たい返しに天井を見つめる
…直接聞いたら教えてくれるんだろうか、
深澤さんはナニモノで、どうして佐久間さんや阿部くんと仲良くしているのか、どうして…
人生に絶望したような表情をしているのか、
.
「……オイ、部屋間違えてんぞ？」
『あ、おかえりなさっ』
「ただいまっ！A！」
『んぐっ…おかえりなさい、佐久間さん』
深澤さんの部屋の前に腰をおろして約30分
佐久間さんにギュッと抱きしめられた状態に呆れた顔をする深澤さん
……今しかないかもしれない
『っあの、深澤さん聞きたいことがあるんですけど』
「……」
『単刀直入に聞きますけど…その、深澤さんってナニモノなん、』
prrrrr…prrrrr…prrrrr……
「……ん、俺。…ああ、そう…うん…はァ、めんどくせぇな……うん…適当にヤッテ、うん…」
いつもより低くて暗い声色にただ見つめるだけ
「A、A」
『……ん、』
「ふっかのこと知りたい？」
『え、』
「んふふ そのかわり、さくまとまた一緒にアニメ観てくれる？」
『……』
交換条件…になっているのか分からないけど戸惑いながらも顔を縦に動かすと
私の耳元で佐久間さんの低く細い声が笑う
「…あのね、ふっかはね、ヤのつく強い組の跡取りなんだよ」
『……え、』
「佐久間」
「にゃーー」
いつの間にか電話が終わっていた深澤さんは私から佐久間さんを引き剥がしジトっと私を見る
……ため息をひとつ。
「やっぱりお前めんどくせぇな。」
『……めんどくせぇお人好しですか？』
「ああ…最強にめんどくせぇ。」
怒らせてしまったかと下を向く私を「入れ」と部屋に招き入れた
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Emma(プロフ) - 星10じゃ足りない！評価ボタンってなんで連打出来ないの？と思うくらい素敵な作品でした…。完結､続編おめでとうございます。何度読んでも興味深く素敵な作品だと思います｡改めまして､ひとまず､お疲れ様でした｡ (2020年9月7日 11時) (
レス) id: fe7283b053 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまそ - 読んでいてすごく楽しかったです。どんどん続きが読みたくなって完結してしまった時は楽しみが一つ無くなってしまった、と寂しくなりました。また番外編や続編が読めたら嬉しいです。他の作品も更新楽しみにしております。 (2020年8月2日 8時) (レス) id: f5b8401e26 (このIDを非表示/違反報告)
ばやし - 読みやすく引き込まれる作品は久々でした。これからも繰り返し読ませていただきます。続編見れたらな、、、と密かに願っております。 (2020年7月6日 11時) (レス) id: e0a81c1a31 (このIDを非表示/違反報告)
べぺ(プロフ) - 読むのがちょー楽しかったです。また繰り返し読みたいと思います。完結おめでとうございます！お疲れ様でした。 (2020年6月1日 20時) (レス) id: fc36e1dc04 (このIDを非表示/違反報告)
aichon(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新されるのを楽しみにして読んでました！読みやすく引き込まれる作品をありがとうございました！次作も楽しみしております (2020年6月1日 19時) (レス) id: 48be932e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴
| 作成日時：2020年5月10日 17時
