踏み込む、一歩 ページ15
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『ねえ、佐久間さん？ 少なくとも、この子たちの世界は変えられてるみたいですよ、』
「…」
私の腕を掴んで離さない佐久間さんにゆっくりとそう伝える。 聞こえてるかは分からないけれど、
《お兄ちゃん、ボクのお菓子食べる？》
《ルゥのもあげるよ？》
「……さくまに、くれるのか？」
震えた声だけどそう聞こえた。
《ねえねえ、お兄ちゃんの頭触ってもいい？》
「…む。」
《……わあ！》
小さな手のひらが佐久間さんの髪の毛に触れる。男の子の目がキラキラと躍る
《ふわふわだあ！》
《ルゥも！ルゥも！》
『ふふっ』
「……A」
『佐久間さんはこの子たちのヒーローみたいですね』
「俺が…ヒーロー…？」
暫くして子どもたちのお母さんが探しに来てお別れをした。 お菓子コーナーに残された私と佐久間さん
『フード、ごめんなさい』
少しの罪悪感からそっと頭に被せると少しの間があってやっと佐久間さんと目があった
「俺のこと…嫌いになった？」
『どうしてですか？』
「かっこ悪いから…」
『？ 違いますよ、佐久間さんはヒーローです』
「……ヒーローはもっとかっこいいんだゾ」
『……お腹空きましたね、帰りましょうか。』
スーパーを出てコンビニの中に入る。軽やかな有線放送とやる気の無さそうな店員の出迎え
豪勢なものも見栄えのするようなものも作れないけど必要なものをカゴに入れていく
会計のときに大量のお菓子やアイスがちゃっかり入っていることに気づいたけど知らないフリをする
「あれ？Aさん…と佐久間くん」
『目黒くん、バイト？』
「そうっス。さっき終わったとこで」
『お疲れ〜 あ、はい。アイスあげる』
「ぬ！それはさくまのだゾ！」
『沢山買ったから一つくらいいいじゃないですか！ほら上行きますよ、じゃあね、おやすみ』
「あ、ありがとうございます」
アパートに着いたところで部屋の前に自転車を停める目黒くんと遭う
驚いた顔をされたけど言わんとしてることが分かるから敢えて触れないように階段をあがっていく
『アイス、ウチで凍らしておきますね？』
「俺も行く」
『え、いやいや、冷凍庫に入れてくるだけ、』
「やだ」
はァ…出ました、佐久間さんの駄々っ子…
仕方なく私の部屋にあげるとギュッと後ろから抱きしめられ
「俺ね、………死に損ないなんだ」
ヘラりと笑った。
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Emma(プロフ) - 星10じゃ足りない！評価ボタンってなんで連打出来ないの？と思うくらい素敵な作品でした…。完結､続編おめでとうございます。何度読んでも興味深く素敵な作品だと思います｡改めまして､ひとまず､お疲れ様でした｡ (2020年9月7日 11時) (
レス) id: fe7283b053 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまそ - 読んでいてすごく楽しかったです。どんどん続きが読みたくなって完結してしまった時は楽しみが一つ無くなってしまった、と寂しくなりました。また番外編や続編が読めたら嬉しいです。他の作品も更新楽しみにしております。 (2020年8月2日 8時) (レス) id: f5b8401e26 (このIDを非表示/違反報告)
ばやし - 読みやすく引き込まれる作品は久々でした。これからも繰り返し読ませていただきます。続編見れたらな、、、と密かに願っております。 (2020年7月6日 11時) (レス) id: e0a81c1a31 (このIDを非表示/違反報告)
べぺ(プロフ) - 読むのがちょー楽しかったです。また繰り返し読みたいと思います。完結おめでとうございます！お疲れ様でした。 (2020年6月1日 20時) (レス) id: fc36e1dc04 (このIDを非表示/違反報告)
aichon(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新されるのを楽しみにして読んでました！読みやすく引き込まれる作品をありがとうございました！次作も楽しみしております (2020年6月1日 19時) (レス) id: 48be932e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴
| 作成日時：2020年5月10日 17時
