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『決めた！次は私のことをめちゃくちゃ好きになってくれる人を探すよ！』
in「それはいつも言ってるけど叶ってないよね」
『うっ……痛いとこしか突いてこないね。。』
in「だって本当のことでしょ？」
僕がいつも聞く限りは……と呆れ気味呟く彼は国民的アイドルで、
もう付き合いも長いからかなり年下ではあるもののタメ口。生意気にも見えるけど、私が落ち込んでいると直ぐに気づいて話を聞いてくれる。決して慰めてはくれないけど。
『しばらく恋愛はおやすみかなぁ……』
in「その方がいいんじゃない？傷つかなくて」
『そうなんだけどねぇ、たまにふと寂しくなったりもしちゃうわけよ、おばさんだから』
in「……もっと身近な人を見てみてもいいんじゃない？」
『ん？身近な人か……でも職場恋愛はちょっとな』
付き合いが続けばいいけど気まづくなりそうで。
前付き合ったこともあるけど、
別れたあとがお互い顔を合わせるのが悲惨だったりでいい思い出がない。
頭を抱える私に対してフッと笑みをこぼすイエニ。
in「なんかいつも同じ相談してるよね？」
『ほんとに情けない限りだよ、いつも聞いてくれる君には感謝だね』
in「ホントだよ。」
悪態は着くけどふと見せた笑顔は柔らかくて少し切なげで、
すごく優しい顔をする。
イエニはいつもそう。いつも私を叱ってくれて、
慰めこそはしないけど必ずそばにいてくれるんだ。
出会った頃より随分大人びたけど、笑った顔は相変わらず可愛くて心が落ち着く。
『今回も奢らせて頂きますよ、イエナは優しいからね』
in「わぁーい！こまうぉ〜」
『現金なヤツめ……』
少し生意気なのがかわいいでしょ？
と可愛い顔で言ってくる彼を可愛いと思ってるのも事実。
そろそろ明日の仕事もあるからお開きにしようと立ち上がる。
少し夜風に当たりながら歩いて私の宿舎前まで送ってくれた。
『いつもありがとね！おやすみ！』
in「こちらこそご馳走様でした！ヌナもおやすみ！」
わざわざ宿舎まで送ってくれなくてもいいのにと思いつつも、私も満更じゃないんだなと思う。
アイドル様に恋愛相談をしている時点で少し変な関係なのかもしれないけれど。
デビュー当初からの付き合いでほんとうの姉弟のように過ごせる彼との時間はいつも心地いいから甘えてしまう。
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作者名：mrn710 | 作成日時：2023年6月1日 23時
