気づかない君が悪い (ページ20)

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気づきたくなかったことページ20

in*side

ボイトレが終わって、運動をしてきた帰り道。雨がふってるなか、少し遠回りだけどAヌナの家の近くまで来ていた。

今日はヌナに変な態度を取ってしまったから
謝ることを口実に電話したら出てきてくれるかななんて、

まぁ、僕のただのヤキモチでしかなかったんだけど。

何となく、リノヒョンがヌナのことをずっと気になっていたのは元々気づいてはいた。

けど、なにか行動に移すことは今まで無かったから……

ヌナに彼氏がいない期間っていうのがあんまりないのもある。

いつの間にか簡単に絆されて新しい彼氏が出来て、程なくして亀裂が入って長続きはしない。

それがヌナだから、いちいち傷つかないぐらいにはなっていたから。

いつも話聞いて～って泣きついてくるのは僕にだったから。

それが、僕の知らないところでリノヒョンとの距離が少し近づいているように見えて分かりやすく焦って、

自分は拒否されることが怖くて優しい弟としてそばにいて、進もうともしないのに黒い気持ちでいっぱいになる。

もし、リノヒョンをヌナが好きになっちゃったら、

今度こそ本当に気持ちも全て奪われちゃうんじゃないかって。

色んなことをぐるぐる考えていたら、Aヌナのマンションの前まで来てしまっていて電話しようとした時、

マンションから普段から見なれた人が出てきた。

それはヌナではなくて、

リノヒョンだった。

傘も持たず走って行く姿を、
ただ目で追うだけで何も声はかけれなくて、悪い考えばかりが頭の中でいっぱいになる。

結局、ヌナには電話も出来ずにいつも以上に長く感じる帰り道をただ歩くだけだった。