気づかない君が悪い (ページ18)

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無意識ページ18

結構な本降りな雨になって、
慌てて荷物を抱えて家に向かう。

思いのほか家の近くまで来ていたからそこまで雨に濡れずに済みそう。

ただ、今更ながらにリノに抱きしめられていたことに恥じらいが出てきてしまう。

しかも、自分も抱き締め返してしまった。
冷たい雨に打たれているのに体が火照っているみたい。

それでいてナチュラルに家に誘ってしまったけど、
部屋は片付いている自信はない。というか朝寝坊をしてバタバタだったんだ……

だからといって雨に濡れたリノを外に置き去りには出来ないから中に入れるしかないけど、

『…部屋汚いかもだけど、気にしないでね？』

lk「…………」

さっきからリノは一言も喋っていない。
なんだか不機嫌な感じでだんまり。

家の鍵を開けて、洗面所に走る。

2人分のタオルを取って急いでリノの元に向かうけど、
靴も脱がず玄関で立ち尽くしていて入って来ようとしていなかった。

『リノ、風邪ひいちゃうから中入って？』

私より背の高い彼の頭にタオルをかけてゴシゴシ拭いてあげると、しばらく黙りだったリノが大きくため息をつく。

ようやく目が合ったと思ったら、手を掴まれて顔が急に近づいて……

lk「…Aさん、俺怒ってるの分かります？」

『……え、さっきの、ことだよね？』

lk「今の話なんだけど」

分かりやすく不機嫌なのは見てわかる。
けど、さっきの1件とは別に今の話となると、パッとは浮かばなかった。

美形は怒ると怖いというのは明確で、
怒鳴りつけることはしないからこその、静かな怒りが見えて怯んでしまう。

lk「あんたがその態度なら、遠慮しないよ？」

『え、……んっ』

一瞬、何が起きたか分からなかった。

リノの顔は元々近かったけどさらに近くて、
唇に柔らかい感触がある。

ホント一瞬の事だった。

リノの顔が少し離れてじっと私の目を見て言う。

lk「気をつけてっていったでしょ？俺だったら大丈夫だって思ってた？」

心拍数が上がっててリノにも聴こえてしまうんじゃないかってくらいバクバクしてる。

彼は相変わらず少し冷たい目をしながらも切なそうに私を見る。

lk「嫌がらないならもう1回するよ？」

そう言ってまた顔が近づいて、
リノの唇を私は自然と受け入れてしまった。