気づかない君が悪い (ページ13)

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✩ ページ13

綺麗なその目をずっと見ていれなくて、
すぐ逸らして仕事に集中しようとするものの、
あろうことか、わたしの頬をフニフニと触ってくる。

『え、なに！』

lk「柔らかいから、つい」

『な、何それ…』

さすがに周りから見ても少し異様に見えなくもないんじゃないかと思ったぐらいに、リノの手が離れた。

と言っても、離されたっていうのが正しいのかも知れない。

in「なに、してるの？リノヒョン」

イエニがリノの手を掴んで、少し戸惑った顔で問いかけた。

lk「べつに？Aさんの前髪邪魔そうだったから耳にかけただけ」

in「そんな感じに見えなかったけど。」

lk「そう？」

リノは変わらず軽く返すけど、
イエニは少し声が低くなってて、怒ってるようにも見える。

『イエナ、私は大丈夫だよ！もう終わるからもうちょっと待ってね。』

in「……うん。」

私がそう声をかけると、
少し暗い面持ちでイエニがその場を立ち去った。

なんだか変な空気感になってしまったし、
イエニはなんだか落ち着かない顔だし。

『……ねぇ、イエニって何かあった？』

lk「ん？さぁね」

『そっか……』

lk「…Aさんは気づかなくていいよ」

『え、なに？』

ボソッと何かを言ったと思うのに、リノは少し笑いながらそれ以上は答えてくれなかった。