気づかない君が悪い (ページ11)

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気になることページ11

in*side

「じゃ、あとで！」

デコピンをして走り去ってくヌナ。

僕は呆然としてたっているだけ。

ちょっとした出来心だった、というか。
抱きしめるつもりはなくて。

よろけたヌナを支えるために引き寄せただけだったけど、
すっぽりと腕の中に収まったヌナが可愛くて。

もう少しこのままって思ってしまった。

今更ながらに恥ずかしくなってきてしまう。
メイクさんだから顔が近いのは慣れてはいるのに、
抱きしめた体制だったからか欲が出てしまった。

bc「イエナー！ここにいた！もうスタジオはいるよ」

『……ごめん、ヒョン！すぐ行く』

なかなか戻ってこない僕を探しに来たチャニヒョンに少し赤くなった顔を見られないようによそを向いて返事をする。

にしても、Aヌナは隙が多い。
僕もそこに付け入ろうとしてしまったひとりだけど。

鈍感だから恐らくなんとも思ってないんだろうと思うけど、
昨日も昨日でっていう捨て台詞が少し気になった。

いつも通り家の前まで送って行ってバイバイしたはずだけど……

『気にしすぎかな？』

自分には全く覚えがないからこそ気になってしまう。
ただ、そんなことよりも今は仕事に意識を向けないといけないよなぁと、頬をかるく叩いた。