カレンダー ページ4
今までほとんど見たこと無かったことが嘘みたいに思えるほど、それからは毎日のように彼女を見かけるようになった。
休み時間に廊下を歩いているところはもちろん、友達と談笑しているところ、放課後帰ろうとしているところまで。
彼女と同じクラスの友達に用があるときも、用事がある友達よりも先に、彼女のことを探してしまう。
今日も、友達に教科書を返すためにやってきたのに、すぐに彼女を見つけてしまった。
さすがにこれは重症かも。
彼女は、教室のカレンダーを眺めて悩んでいるようだった。
どうしたんだろう？彼女を見つめてそう考えていると
「あ、ウォヌなにしてんの？」
友達に話しかけられてやっと、用があったことを思い出す。
「あぁ、これありがとう。助かった。」
そう言って借りていた教科書を返してそのまま少し雑談をする。
「あ、もう休み時間終わるぞ」
友達がそう言うから時計を見ると、もう授業が始まるまで1分を切っている所だった。
慌てて友達にもう一度ありがとうと伝えて振り返った後、もう一度彼女を横目で見る。
すると彼女は、次の授業のために来ていたクラス担任と話しながら、頼まれたのか2月のページを丁寧に切り取っていた。
さっきカレンダーを見て悩んでいたのは、月がまだ変わっていないことに気づいたけど、勝手に変える訳にもいかないって思ったからかな。
そんな小さなことまで気付けて、わざわざ確認をとってから手伝いまでしていて、なんて気の利く子なんだろう。
そう考えながら、教室へ戻る。
あぁ、もう3月になったのか。
俺たちも、もうすぐ2年生。
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作者名：おやさい | 作成日時：2023年12月25日 1時
