アイツがバレーを嫌う理由。 (ページ10)

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Story 9 ページ10

松「じゃあ俺と花はこっちだから」
花「Aちゃんは気をつけて帰れよ」
及「及川さんいるから☆」
岩「お前だから、花巻達は心配してんだろ…」

これからよろしくお願いします
そう頭を下げて、松川先輩達を見送る

金「じゃあ俺達もここで」
岩「気をつけて帰れよ」
国「…A、明日から…よろ、しく」

次の曲がり角で英くんと金田一くんは帰って行った

でも同じ中学の学区内って事もあって
松川先輩と花巻先輩よりは家が近いみたい
ちょっと嬉しいな、なんて思ったり…

及「でもさぁ」
『兄さん、どうしたの？』
及「国見ちゃんのこと、名前で呼ぶ必要なくない！？」

やっぱり兄さんはめんどくさい
一くんに助けを求めようとしても、目を逸らされた

及「まさかっ…！国見ちゃんのこと好きなの！？」
『それはない、かな』

私が恋心に気づいて、素直に認めるのはもう少し先の話

岩「A、家着いたぞ」
『送ってくれてありがと』

俺もいるんだけど！？と少し拗ねてる兄さん

こういう時はね…

『一くんも家までわざわざ来なくて良かったのに』

もう無視しちゃう方が楽！
構ったら最後、絶対離してもらえないし
だから一くんと一緒に兄さんを無視して会話を続ける

及「A〜…兄さん悲しい〜…」

え、は？
いつもなら1人で家の中入ってくのに

岩「シスコン、きめぇ…じゃあな」
『えっ…待ってよ！一くん！』

一くんは逃げるように自分の家へ帰って行った
そして、今兄さんに後ろから抱きしめられている
180cm超えが150cm(弱)に抱きつくとか…

『とりあえず家入ろっか、兄さん』

お、重い…
やっぱり兄さんとの体格差が…

家に入り、夕食を食べる
その間さっきとは空気が変わって無言だったのに…

及「ねぇ、なんでバレーやらなくなったの？」

ついに兄さんが口を開いた

及「中3になる前くらいだよね？バレーしなくなったの」
『…そうだけど』
及「なんで嫌いなのか、理由教えて？」

嫌だ、そう言おうとしたんだ
でも口から出た言葉は違っていて…

『私がチームにいると、迷惑だから』

あれ…なんで…？
困ったなぁ…
兄さんも気まずい顔しちゃってるじゃん

及「ご、ごめんっ！言いたくなかった、よね…」
『理由言ったからさ…もう深掘りしないで』

この2日間で兄さんと仲良くなれた気がした
でも、やっぱり違ったんだよ…

兄さんはバレーが出来て、バレーが好き
私はバレーが出来なくなって、バレーが嫌い
もう昔の仲良かった頃には戻れないから…